ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」

映画:志乃ちゃんは自分の名前が言えない

2017年7月14日公開

視聴環境:自宅・アマゾンプライム

【ネタバレ有り】

 

 

 

 

 

 

 

 

(内容に入る前に…)

今まで音楽関係を中心に書いてきたのですが、今後映画やデジタル家電品など、自分が触れて気に入った物、気になった物をなんでも書いていきたいと思っております。文章サイズも大体500字~1000字くらいを目安に、自分にとってハードルが低く備忘録的に使えるものにしていこうかと。もともとそういう気持ちで始めたものですし、それがどこかの誰かに少しでもお役にたてることがあれば、これほど嬉しいことはありません。

 

ので、もしよろしければおつきあい頂けると幸いです。

 

映画については、必然的にネタバレすると思いますので、このように行を開けて書きたいと思っています。

 

では、本題。映画です。

 

とても素晴らしかったです。もともとこういう青春ムービー的なものは大好きなのですが、この作品はそれらのものとはちょっと違う印象のものでした。それは、「主役格の3人が、全員相手よりも自分を大事にする」という点で、そして、それが本当に素晴らしいと思います。普通映画って、○○ちゃんのためなら、○○くんのためなら、自分なんてどうなったっていい!!的なシーンがあって、それが涙をさそうのですが(で、それはそれで僕は好きなのですが)、この映画は、後半の関係性が崩れていくあたりから顕著ですが、とにかく自分の為、自分の夢の為に自分を犠牲に一切しない。もちろん相手は大事だし、ようやくできたかけがえのない存在なのだけど、それでもその一線を越えた発言は3人が3人ともしない。でもそれは、今まで居場所が無くて、どうしようもなかったそれぞれが、きっと相手に出会い、相手の大切さを知ったがゆえに自分の大切さをより強く知ったのだろうと思うんです。だから最後に志乃ちゃんは思いのたけをぶつけられたし、きちんとその先に繋がっていった。あのラストは見る人によってはバッドエンドのようにも見える最後ですが、自分で自分を選び、自分なりの選択をした、まごうこと無きハッピーエンドだと思います。だからこそ、彼女らのストーリーはきっとこの先のどこかでクロスするし、一時の奇跡ではなく、とてもリアルな未来がきちんと見える、見事なラストでした。そして、主役格の三人がとっても上手でした!青春時代の青さ、コンプレックス、無鉄砲さ、様々な感情がしっかりとリアルな表現に根付いていて、形こそ違えど、多くの人たちがどこかで抱えていた青春時代の思いと紐づけることができる、とても素敵な演技だったと思います。

 

 

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

  • 発売日: 2019/02/08
  • メディア: Prime Video
 

 

 

南端まいな 「relief」 (配信限定ep)

最初そこまで「キター!!!!」という感じはなかったのだけれど、イヤフォンで最初から通して聞いたとき、「キター!!!!!!!、これ!!そう!!これだよ!!!!」という脳内大爆発が起きた。そうだ!これだ!!!

個人的な感想として、今までのソロワークは、「しっかり」「きちんと」作られていて、真面目で、決して悪くはないけど、失礼ながら、そこまででもないな・・・と思っていた。

単純に僕はアレンジがあまり好きじゃなかった。あまりにも今という要素がかけ落ちているし、突出した部分も感じない。再評価されているシティポップや、長年愛されているクラシックな名曲は、普遍的だからよいのではなく、必ず「今」とリンクする箇所があるから、古いと思われずに今も現役で聞かれていると思うのだ。

正直今作も、アレンジは今までと大きく変わってはいないと思う。アコースティックで極めてシンプルな編成も、南端さんの声に合っているけど、有り体なもので、大きなトピックは無い。でも、今作は特別だし傑作だ。それはひとえに南端さんの歌声の素晴らしいこと、そして、それをしっかりと録音できていること、だと思う。

とにかく声がよい。圧倒的に良い。

今までの曲と比べてものすごく上手になった。当然もともと歌い上げるようなタイプの人ではないし、今作はアコースティックであることもあって、ある意味、線はより細くなったように感じる。それに録音が素晴らしいと書いたのだけど、音そのものは生音らしいというよりも、デモのような不安定さもあったり、足りないようなところもある。でも、それも含めて、凄くリアルだ。細いその声もリアルがそこにあって、芯が通っていて、もっともっと聞きたくなる。この声をもっともっと大きな場所に響かせていってほしくなる。

カヴァーの選曲もアイルネ時代のようなツボつきまくりな感じではなく、とても一般的な選曲だ。ある意味そういう点はずっと通底しているし、そこがどこまで広がっていくのかはわからないけど、不器用さも含め、まっすぐなままにまっすぐな声が遠くまで響き渡ることができたら、それはとてもとても美しくて、素敵なことだと思う。

 

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2020年間ベスト

アルバムオブザイヤー 青葉市子 「アダンの風」

 

ベストソング 赤い公園 「pray」

 

ナイスアルバム10選(順不同)

       米津玄師 「STRAY SHEEP」 

       Gezan 「狂(KLUE)」

       ヨルシカ 「盗作」

       安藤裕子 「Barometz」

        マカロニえんぴつ 「愛を知らずに魔法は使えない」

       ズーカラデル 「がらんどう」 

       ずっと真夜中でいいのに。 「朗らかな皮膚とて不服」

       ROTH BART BARON 「極彩色の祝福」

       haruka nakamura 「スティルライフⅠ」「スティルライフⅡ」

 

 

ナイスソング10選(順不同)

       米津玄師 「感電」

       SEKAI NO OWARI 「silent」

       End of the World 「Rollerskates」

       BTS 「Dynamite」

       arca 「世界」

       藤井風 「へでもねーよ」

       安藤裕子 「衝撃」

       BUMP OF CHICKEN 「Gravity」

       瀧川ありさ 「メリーゴーランド」

       原田珠々華 「サイダー」

 

overseasベストアルバム

       ザ・ウィークエンド 「After Hours」

 

アイドル ベストソング

       いぎなり東北産 「re;star」

 

さっぱり更新できていないブログですが、こればかりは!!と思い更新した次第でございます。

が、いきなりの衝撃。昨年も私、このようなことをかいたのだけれども、何と!!昨年のタイトルが「2020年年間ベスト」!!!!!

嘘だろ!!!1年越しでミスに気づきました…。誠に申し訳ございません…。

記念に昨年のもそのままにしておきます(直せ)。

 

で、今年ですが、まず注釈として、BTSとEnd of the world(世界戦略セカオワ)が国内アーティストに入っているのは、単純に僕が「邦楽脳」で聞いているからです。あと、今年は久々にoverseas表記を加えました。それも単純に今年は洋楽も結構聴いたからで、とはいえ、ベスト10をあげるほどではないので、アルバム1枚にしました。来年はもっと聞きます。でも、最高でしたウィークエンド。

 

そして本編。今年の10枚ですが、個人的には今年のナンバーワンは年の瀬に入るまで、ベストアルバムはSTRAY SHEEPだし、ベストソングは「感電」だと決め決めに決めてたのですが、ここのところの衝撃で一気に変えちゃいました。正直、タイミングがちょっと後だったら、米津氏に戻っている可能性もあるのですが、今の気持ちとしてはこれです。

 

いずれできれば青葉さんのアルバムはレビューを書かせて頂きたいのですが、現段階では本当に言葉は余計にしか思えない(無論プロのライターさんだったらそうではないでしょうが)ので、とにかく聞いて!可能な限り良いオーディオで!!!という気持ちです。

 

赤い公園のprayは津野さんのことを抜きにしても赤い公園のベストの1曲だし、年間ベストにふさわしい曲だと思います。まさに名曲。

 

あと、今年はアイドルソングは個人的には正直不作だったように思います。これはコロナの影響は間違いなくあるでしょう。ので、別枠は設けずにベストソングのみにしました。いぎなり東北産は本当にここのところとんでもなく良い(曲の良さ、歌のうまさ、パフォーマンスのクオリティ全て!)と思うので、お願いですからサブスク解禁して下さい…。

 

来年はもうちょいブログを更新する一年にしたいです…!!!

 

 

 

アダンの風

アダンの風

  • アーティスト:青葉市子
  • 発売日: 2020/12/02
  • メディア: CD
 

 

 

オレンジ / pray (特典なし)

オレンジ / pray (特典なし)

  • アーティスト:赤い公園
  • 発売日: 2020/11/25
  • メディア: CD
 

 

天才とは

天才と呼ばれる人たち。特に「芸術」や「表現」という分野にくくられる「天才」と呼ばれる人たちにとって、今の時代の抱えている空気・社会はいかなるものなのだろう。それは当人にしかわからないし、その日その日で大きく変化するものなのかもしれない。

 

僕の大好きな、赤い公園津野米咲さんが亡くなった。

 

今の段階で一ファンが書けることがあるのか、そもそも書いて良いのかはわからないけど、あくまでも僕自身の備忘録として、気持ちをととのえる材料として書かせて頂ければ、と思う。

 

というか、僕が今書き残したいのは、津野さん個人ではなく、「才能」というものについて、だ。

 

確か、東日本大震災の際、草野マサムネ氏が、心を病んだという記事を目にした。

 

きっと、巨大な悲しみと、どうしても一対一で向き合ってしまうのだろう。

巨大な才能というのは、ものすごく繊細で、同時にもの凄く図太く、我が儘なものなのだろうと思う。加速も最高速も併せ持っていて、且つ超繊細なハンドルを持つモンスターカーを体内に持っているようなものなんじゃなかろうか。

 

それは、自分のような、うすらぼんやりと日々を過ごしている人にとって、推察はできても、その枠を出ることはない、あまりにも未知な領域だ。

その豊かすぎる感受性が日々を埋め尽くしている状態というのは、一体どんなものであるのだろう。

 

その才能が日々の暮らしの中で抱える絶望とは、どれだけの重さがあるものなのだろうか。

 

きっと、だからこそ人はつながりを持つ。そのつながりこそがまさに「セーフティネット」であるのだろう。

 

ここのところ、多くの才能あふれる方々が旅立たれているのは、当然ひとつのくくりで「コロナ」とか決めつけられるものでは無いだろうし、それは失礼だろうと思うのだけど、才能をはばたかせる場や、切磋琢磨する関係性を失うこと、そして、今まではありえなかった、「今まで考えなかったことを考えてしまう時間」が生まれたこと、はやはりとても大きいのではないかと思う。

 

そして、その大きな才能を持ち、僕らの日々を豊かに彩ってくれている人は、この世にまだまだまだまだいっぱい居る。

多くの才能が、ここで悲しい決断をしないように、少しでも一人一人ができることは、否定軸では無い、肯定的な社会。優しい社会をつくりだすことだ、と僕はずっと思っている。それは大それたことではなく、日々の自分が作り出す関係性から繋がっていくことで、むしろそれこそが全てだと思う。

SNSを例に出すまでもなく、自分の人生には何の関係も無いであろう、他者の不倫やちょっとした失敗をあげつらうことがとても増えた。それは元来、当事者以外には関係の無いことだ。

そして、その批判をする人々も、その批判を駆り立てる何か、「渇望」か「欠落」か「寂しさ」か「競争社会の敗北」か、とにかく、その行為が自分を立ち続けさせるために必要な何かになっている人々がいるのだろうと思う。そして、僕もそれを否定的に結局書いてしまう以上、その一員でもあるのだろう。

それを、ちがう形で、肯定で満たす社会というのはありえないのだろうか。夢見がちな理想論だろうか。でも、それを肯定することからしか、生まれないものがある筈だ。

何か一つでも、否定を辞めて肯定を。決して大それたことじゃないくて良い。否定していた自分も否定しなくて良いのだから、その肯定から始められることが、多くの才能を救うような気がする。

 

そんなことを、考えて、才能に満ちた音楽を聞いていた。

僕らの暮らしを彩る、多くの才能に敬意を表して。

安藤裕子 「Barometz」

安直に使ってはいけないワードとは思うが、どうしても書いてしまうワードランキング第一位。ハイ!書きます!!

最高傑作です!!!!!

 

ハイ、キター!!!

安直!!!

 

でも思うのだからしょうがない。ただ、正直明らかにあからさまに思うさまに「ドスコイ!最高傑作ドス!!」という感じではない。覆った布をそっと取って取って取って取って、最後に「(ボソッ)最高傑作ドス…」という感じ。

これも安直に使ってはいけないフレーズ第二位(当社調べ)だけども、ハイ!スルメ盤です!!!!

 

何故にどっちも安直に使ってはいけないかと言うと、要はどっちも自分がそう思っただけなのを勝手に印象付けるからだ。そして使いやすいから簡単に使ってしまう。でも、今作は僕にとってはまさにスルメ。

 

まず、ガッツリ私的印象だが、正直前作「ITALAN」は安藤氏の作品史上個人的には最も聞きこまなかったアルバムだった。ちなみにそれについで聞きこまなかったのはその前作「頂き物」だ。ただ、頂き物はちょっと毛色が違う作品だけれども、それ以外に関しては、本当に最高傑作を更新し続けてきた、というくらい全ての作品のクオリティが総じて高いアーティストだと思うので、単純に僕に「合わない」ということなんだろうとは思うのだけど、とにかく近作を僕はあまり聞いていなかった。

 

だから、このアルバムも、タイトルやジャケットの世界観に、かなりワクワクしつつも、ちょっと興奮しきれない部分もあった、し、実際に先行して公開されていた楽曲たちもそこまでピンとは来ていなかった。リード曲の「一日の終わりに」を聞いた時も正直ちょっと期待しすぎたかな…と思っていた。

が、

 

齊藤工監督、宮沢氷魚さん、門脇麦さん主演というトンデモナイMVを見て、印象が大きく変わった。

 

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正直、失礼ながら、このMVの意図するところは僕の中ではそこまで伝わらなかったし(完全に僕がぼんやりちゃんだからです!)、何度も見返したか、といわれるとそこまででもないのだけれども、これを見たことで、楽曲の世界がババーンと扉を開いた。本当に扉が開いて見えた。音の世界が脳内に入ってくるのがわかるくらい。

 

そこは、安藤さんが今まで描いてきた世界であり、より美しく、且つ二度と戻れなそうな不思議な魅力のある森に迷い込んだようだった。その森の花が、緑が、川のながれが、全て一つ一つの曲であり、それを味わうと、より深く、深く様々な色がまじりあった世界に潜っていくようだった。

 

何を書いてんだこの浸り中年!と言って頂いていっこうにかまわない。が、本当にそんな世界観がこのMVを見て、その後でアルバムを聞き始めたことで、驚くほどの解像度で脳内に映し出された、気がした。気がした!!

 

ぼくにとっては、このMVがこのアルバムのカギだったように思う。間違いなくこれをきっかけに扉が開かれて、その先の世界を恐れつつも知りたくなった。

 

きっとこのアルバムは、一聴して聞きやすい耳馴染みの良いアルバムではないのかもしれないけど、メロディはとても美しく、魅力的。音も独特の彼女らしい世界観でありながら、しっかりと「今」の基準の音に磨き上げられている。人それぞれ、この世界に入る鍵は違うのかもしれないけど、過去作一、多くの人が魅了される可能性がある作品だと思う。是非、世界中の人がこの扉をあけて、深く深く潜ってほしい、と感じた作品だった。

 

 

Barometz

Barometz

  • アーティスト:安藤裕子
  • 発売日: 2020/08/26
  • メディア: CD
 

 

 

コロナ禍のフェスについて

皆様ご存じのように、2020年は間違いなく「新型コロナ」の年として、未来の教科書にのるような1年となった。むしろ、教科書にのる未来が存在していることを強く願う程だ。多くの市民活動は制限され、「制限されるもの」と「制限されないもの」、あと「制限されたけどすぐに制限されなくなったもの」に仕分けされた。その定義は曖昧で、要は「高い志を持ち、徹底した感染予防がなされていても開催できないもの」と「何もしてないけど、なんかやれちゃうもの」が存在した。その中で音楽ライブや演劇は明確に「制限されるもの」であり、3密の旗の下制限された。実際にクラスター化したイベントもあり、その全てかどうかはわからないが、それらの一部は明確に対策が足りていないように見えた。ただ、多くの音楽を、演劇を愛する人たちは真摯に事実を捉え検討を重ねていることがSNS等でも見受けられ、クラスター化した「そこ」と全てをまとめて考えるのは無理があるように思われた。

当然3密の極みである、ライブハウス、そして音楽フェスは驚くほど僕らの暮らしから失われた。が、その中から「無料でライブ映像公開」が行われ、その先に「有料ライブ配信」が行われるなど、新しい文化も生まれつつある。そして、徐々にライブ活動も解禁されてきている(そこには「経済」というものが横たわるので複雑な意味合いも含まれる)。

 

そんな中、僕が知る限り2つのフェスが行われた。大阪泉大津の「RUSH BALL」と長野の「りんご音楽祭」だ。

共に人数制限と感染予防対策を徹底し、この時代に一つの指標と必然的になるであろう状況下で、それでも実行したことはとても大きな意義があると思う。ラッシュボールは、主催の方の記事を読んだが、スタンディングゾーンを区切り、検温で規定を超えた人はお帰り頂き、且つ経済的にも可能な限り赤にはしないという、まさに「やるべき意義」を持ったフェスであったように思う。そして感染者は出なかった。

ただ、もう一つ、「りんご音楽祭」はTwitter等で、マスクを外して声を上げている人がいた、という内容がかかれていたり、事実関係はわからないが、モッシュやダイブという表記も見られた。表だった記事を見ると、まるで別世界のようなことを書いてあるものもあり、何が真実なのか、全くもってわからないが、不参加者である僕が見る限り、少なくとも何らかの課題があったようには思われた。

 

では、なぜそうなってしまうのか。

 

これは、拡大化、肥大化をした音楽フェス、というものが、「そういうもの」だから、のように思う。

 

CDが売れない時代、アーティストもレコード会社も「ライブ」に可能性を求めた。小さなステージからメインステージへ駆け上がっていくことがステータスになり、そこに物語が生まれたのも事実だ。ただ、一時期の四つ打ちに代表されるように、フェスの評価は音楽性よりも、いかにアガるかが重要視され、そこにはもちろん全ての人ではないが、「ただただ盛り上がりたい人」も多く含まれた。フェスの体験とは好きなアーティストの曲を野外できくこと、未知のアーティストに出会うことに加え、肉食って盛り上がること、であり、それのみである人もおそらくいるのだろう。だって、そうじゃないと自分の好きなアーティストが、ある種の覚悟を持って参加したフェスで、そんな行動をするとは思えない。そう考えると、もしかしたら今年中止となった京都大作戦は例年通りの規模で開催しても、あれだけのアーティストがいてもモッシュもダイブも無く、感染者の1人もでなかったかもな、と思ったりもする。

 

ただ、上記の通り、それらの人を歓迎していたのはフェス・アーティスト自身であり、ある種飼い猫に噛まれるようなもので、当然到るべき結果のように思う。

 

フェスを含め、今後の在りようは議論され、変わっていくのだろう。ただ音楽の良さが評価される、というのは音楽という価値基準が個々に委ねられるものについてはとても難しい。生きていくうえでお金が大事で在ることもわかる。でも、コロナ以後がもはや見えない現在。もっと根本的な地殻変動が必要で、遠からず起きるのではないだろうか。そこでフェスがどのような形で存在するのか。おそらくは、もっともっと枝分かれし、大規模フェスよりも、中小規模が増えていくように思う。個人的にはその方が間違いなく居心地は良いのだが、良くも悪くも雑多にごちゃまぜな中から今まで得られなかった体験ができることもフェスの魅力であり、それは大規模フェスにこそあるものだ。来年の夏は、きっとオリンピックは意地でも開催されるのだろう。そこにフェスも「便乗」していくのか。正直全くわからないが、そんなとんでもない時代を生きていることを実感しつつ、とりあえずは日々好きな音楽を聴いて過ごしていきたいと思う。

ヨルシカ 「思想犯」

相変わらずヨルシカばかり聞いて生きているワタクシ42歳だ。

 

最高だね。何度聞いても最高だよ。

 

ただ、僕の悪い癖で、聞きすぎると突如として飽きるというアーティストバーンアウト症候群(今命名)があるので、多少おびえながら聞きまくっているのだよ。

 

で、そんな中ニューアルバムより「思想犯」が解禁!!!

 

最新の「春ひさぎ」を除けば、ここのところの猫をかぶる関連の楽曲は、ヨルシカ独特のアンダーグラウンドな感じがぐっと抑えられてメジャー感が強い感じがしていた。聞きやすい分、彼らの「刺さる」感じがちょっと抑えられている感じもして、ちょっと残念な部分もあって。

 

(僕にとって、彼らの「アンダーグラウンド」さ、というのは、一般的な意味合いとは少し違うかもしれないのだけど…、彼らの楽曲はとてもメロディが強くて、suisさんの声もとても強い。繊細すぎるほど繊細だけどとても強い。それゆえ、楽曲全体のフォルムがどこか歪で、だからこそ「刺さる」んだと思う。それは、メジャーシーンとは一線を画すものだと僕は思うので、それを「アンダーグラウンド」と表現しました)

 

で、この曲はその歪さが一気に戻っている。春ひさぎもそうだったのだけど、あの曲はそもそも今までの「ヨルシカ」らしさを感じさせない曲だったので、根本的に別という印象。今回の曲はイントロから「来たぜ!ヨルシカだぜ!!」という感じだからこそそう感じるのだろう。

 

が!!が!!!!

 

この曲は明らかに今までと大きく違う。そもそもsuisさんの声がとても低い。春ひさぎも低かったけど、今回は別人じゃないかというくらい低い。この方はどれだけの表現力を持っているのだろうか。僕のsuisさん表現力王楽曲は「憂一乗」なのだけど、それとは全く違う方向の歌声。恐ろしい。本当に希有なボーカリストだと思う。

 

そして、演奏も確かに今までと似た印象はあるけれども、最初っからギターの音が違うし、今までギターを配していたであろう箇所に違う音色が置かれたりしていて、手触りが大きく変わっている。何と言うか、とてもざらっとした手触りで、砂塵のような、煙たい、うさんくさいような世界の空気がとても強く漂っている。気がする!なんせまだ全体像はわからないので…。

 

とにかく、これはもうエイミーとエルマの物語ではないんだろう(どこかでリンクするにせよ)。その世界の全体像を感じるのはもうすぐだ。楽しみー!!

 

 

思想犯

思想犯

  • 発売日: 2020/06/24
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 

 

 

【Amazon.co.jp限定】盗作(初回限定盤)(特典:缶バッチ付)

【Amazon.co.jp限定】盗作(初回限定盤)(特典:缶バッチ付)

  • アーティスト:ヨルシカ
  • 発売日: 2020/07/29
  • メディア: CD
 

 

MVはまだ見ていないので、後ほど楽しみにみまーす!

 

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