米津玄師 「パプリカ」
皆様ご存知かとは思いますが、Foorinが歌っていたパプリカのセルフカバーバージョンのPVが公開されました。
この曲はNHKの2020応援ソングプロジェクトによる応援ソング。つまりオリンピックパラリンピックにむけての楽曲で、オーディションで集められた小学生5人組ユニット「Foorin」が歌っています。
僕自身、なんせかんせ子供たちがこの曲(とダンスが)大好きなので、何十回も、もしかしたら何百回も聞いてますし、米津さんらしい和を感じさせるメロディと、元気なFoorinの声がとても心地よい、企画曲におさまらない普遍的な良曲だと思っていました。
その、ご本人歌唱ver.が「みんなの歌」として公開されたと聞いて、打ち上げ花火の例もあるし、とても自然な流れとして、それは良い、聞いてみようと思っていたのです。
が、
そんな生半可の曲ではありませんでした…!!!!!
みんなの歌で聞こうと思っている間に、フルバージョンがyoutubeで公開されたので、特に構えることなく「おっ、聞こう聞こう」と聞きましたよ。
いやね、安直に使う言葉ではないと思うのですがね、「天才」ですよね。天才。レベルが段違い。ダンチですわ。
それこそ、上にも書いた「打ち上げ花火」のソロver.も、DAOKOさんとのものに比べ、米津さんの嗜好性がモロに出ている、というか、ポップさ・ドラマチックさよりも音の質感にぐっとこだわった(とはいえ、メロディがポップなので、その良さも全く消えないのですが)楽曲でした。
今回のパプリカも、簡単に書くと同じです。米津さんが今求める「音」にぐっと寄ったサウンド。でも、そのレベルが段違いに変わっている。
アイディアに溢れたリズム、多く配された和の楽器、米津さん自身の歌唱も、Foorinのものよりも、ぐっと「和」のイメージを強く感じさせるものになっています。これはFlamingo以降顕著な、今この国に居る彼にしかならせない音・メロディ、だろうと思います。節回しや、「曲りくねり はしゃいだ道」の最後が米津さんバージョンは原曲と違い、音程が下がっている(表現合ってますかね…、「みちー」が下がるんですよ!!!)等、Foorinの元気快活なイメージよりも、「和」というものがもつ、美しさと同居する生々しさ、不穏さ、不気味さ、が際立って感じられます。
いままで覆っていた、「JPOP」というオブラートのようなものを全てとっぱらい、生命の鼓動をそのままに鳴らしているような印象を、この曲と、本当に素晴らしいこの曲のMVから感じました。
楽曲の持っている世界観を大きく広げながらも、ものすごく繊細な部分までもしっかりと維持している、見事なMVだと思います。この「風の子」という存在が、とてもとても興味深い。
この曲も「海の幽霊」もそうなんですが、米津さんの書く詞は、基本的にド直球なんですよね。不要にひねることは無い。でも、描くものにブレが無いから、きちんとその世界の余韻までも描くことができていて、言葉以上に大きく大きく広がっていく。
とにかく、もし見てらっしゃらない方がいらしたら、このMVを見て頂きたいです。
個人的には、彼の音楽は、現代のSNS等で多く見られる失敗を徹底的に叩き潰すような、マジョリティでありたいと思うが為、その正義を不必要に振り回すような、現代の「不寛容さ」「実体のない正当性」に対するカウンターのようにも感じるんです。
その楽曲は、凄まじく美しいのと同時に、ものすごく異形であるように思います。彼はMVでハイヒールを履いていたり、独特なダンスを踊っていたり。歪でありながらとても美しい。歪さが我々の本質である、ということ。それは我々の不要な固定概念を崩し、本来の自分の形であることこそが、「美しさ」であると言っているように僕は感じました。彼の音楽は、その象徴であるのではないでしょうか。彼のサウンドが世界基準で語ることができるように、その詞・存在自体も、今の世界の流れの中心に向かって強く強く放たれているように思います。
とにかく、現在の彼は本当に無敵だと思います。ご本人がどう感じてらっしゃるのかはわからないですが、鳴らしたい音のイメージと実際の鳴っている音がとても近く感じる。これって、きっと簡単な事じゃないと思うんですよ。どうしたって、特に我々日本の音楽をずっと聞いてきた人は、ドラムの鳴り方、位置、ギター・ベースのバランスなど、無意識にフォーマットが出来上がっていて、そのうえでメロディがあり、一つの曲が構築される。自分が鳴らしたいと思った音が、実はそのテンプレで大きく曲がってしまっているかもしれないし、鳴らしたいイメージが、テンプレそのものの場合もあると思います。この鳴らしたい音はどんな楽器が何処からどのようになるのか、そのイメージがすこぶる自由に米津さんの脳内で踊っているように、特にLemon以降非常に強く感じます。特に「海の幽霊」からこの「パプリカ」はそのレベルがとんでもないものになっている。
今、出会うことによって、何かが動き出すような、とてもとても繊細でありながら、もの凄く強い一曲だと思います。
中村佳穂 「LINDY」
中村佳穂が凄い。
ありとあらゆる方面(主にツイッター)からその情報が、このアチキにも届いておりました。才能が迸っている、と。
(いきなり)余談ですが、この「主にツイッター」。改めて考えてみると、僕の知る音楽情報は、気がつけばまさに「主にツイッター」ですわ。勿論、そこから深く知るのに音楽雑誌も非常にありがたい存在ですが。気付けば、音楽の話をする友人は近くには居なくなりましたね…。いないわけではないんです。音楽の話をしている人たちは。ただ、僕が聞いてる音楽を熱心に聞いている人がいない。
と、書いて思い出しました。考えてみれば、そんな友人が居たのは大学時代だけでした!!いまだけじゃないじゃんね!!!!!!!!・・・・今だけじゃない・・・じゃんね・・・・・・。
結論としては、僕が友達が少ない、ということですね!!!
ハイ、話題を戻します。そのツイッター様様が教えて下さった、中村さん。
僕も、リリースされてすぐに話題となっていた「AINOU」は勿論聞きました。
良かったんですけど、正直そこまでピンとは来なかったんです(あくまで個人的感想です)。洒落てるネ!!と思いました。
そして、その感想はほぼほぼ間違いだったことを、先月。7月に思い知らされるわけです。
7月13日、東京恵比寿のリキッドルームにて開催されたワンマンライブ。これがネットで生配信されました。その際の僕のツイッター大明神のタイムラインは、僕が敬愛するライターさんやミュージシャンの絶賛、絶句(良すぎて)、絶叫(良すぎて)に溢れ返っておりました。その時の僕ちゃんといえば・・・お仕事YEAH!!!
エライ!エライね!!!
というわけで、指を5本ほどくわえながら(げんこつ)、あばばばばば…、と言いながらワタクシ、仕事しておりました。
が!!!優しい!ヤサシイよ中村様!!!
もっと多くの人に、ということで、その先の連休14日・15日までアーカイブを残してくださったのです!!!!
そして、見ました!!!
衝撃・・・・・・・!!!
もう、それ以外の言葉は見当たりません。開始直後。そこまで中村さんの歌を詳しくは聞いていない僕としては、「また、なかなか、良いリズムの、頭のよさそうな、シャレオツな曲を持ってらっしゃる」とか思っていたら・・・、歌詞が!?!?今この場について歌ってる!!!!!の!?!?!?即興!?!?!?!?即興ナノン!?!?即興ナノンママン!?!?!?
という、驚き。これ、本当に驚きました。その場の空気をそっくりそのまま鳴らしたような音楽。しかも、圧倒的なクオリティ。それを支えるバンドも、それぞれが気の向くままに鳴らしているようで、見事に調和してる。というか、完全に呼吸が合ってる。
その後も、基本MCと曲の境目が無い。即興と楽曲の境目が無い。さらに言えば、音楽と空気、空間の境目すら感じない。その世界そのものが音楽。リキッドルーム全部でも音楽だし、ぐっとミクロの単位まで小さくしても同じくそこには音楽が鳴っている。
凄い。本当にすごい。
そして、そんな中でも圧倒的!!!!!だったのが、この「LINDY」でした。
持ち込まれた太鼓。その段階でヤバいニオイしかしなかったんですが、これが途中からバカスカなりまくる。そこがお祭りそのもののようなフリーな空気が漂いながらも、その空間自体には適当さが微塵もない。徹底的に完成されているのに、徹底的に自由にぶっ壊れている。でも、やっぱり呼吸だけは完璧なまでに重なり合って、それがそのままビートになっているような。
また、この楽曲には馬喰町(ばくろちょう)バンドというバンドのメンバーが参加しているのですが、このバンドもとても面白いです。こういう知らない音楽に音楽数珠つなぎ的に出会うのって本当に素敵。
このライブの衝撃に比べると、配信音源はかなり整っているというか、きれいにまとまっています。が、やはり同じ「呼吸」や「空気」がしっかりとならされています。
あー、もう無いんですかねあの映像。ぜひこの音源とライブの世界観を両方味わって頂きたいです…。
兎に角、僕が抱いたシャレオツは間違いでした。いや、間違いでは無くそれもそのある種の一面だと思いますが、実際の中村さんの音楽はすこぶる本能的で、同時にものすごく知性的でした。その象徴的な楽曲が、この「LINDY」だと思います。
もっと早く、この曲について書きたかったんですが、言葉が追い付かず、書いていませんでした。でも、どうして今書いたかというと、
新曲が出るんですよ!!8月7日に!!!
配信限定シングル、その名も「q」!!!!!!
というわけで、それの音源を聞く前に書いておきたく書かせて頂きました!!!
ELLEGARDEN 「FUJI ROCK FESTIVAL'19」セットリスト(を見て(当然不参加))
ELLEGARDEN 「FUJI ROCK FESTIVAL'19」セットリスト
1 Fire Cracker
2 Space Sonic
3 Missing
4 高架線
5 Supernova
6 Pizza Man
7 風の日
8 The Autumn Song
9 MIddle OF Nowhere
10 金星
11 Red Hot
12 ジターバグ
13 No.13
14 Salamander
15 虹
16 Make A Wish
17 スターフィッシュ
僕は全くもって北の地石狩から動いておりませんので、フジには行っておりません。いつか行きます。いつかね!!
でも、便利な時代ですな。優しい優しい音楽ファンがキッチリSpotifyにセットリストをプレイリスト化して下さっておりました。勿論自分が聞きたいから作るというのが一番だと思うのですが(それが大事ですし!)それを共有できる時代。ナイス時代。
僕は、先日仕事へ向かう際の車内で、このプレイリストを再生しながら向かいました。
運転、ノリノリ、運転、ヘドバン(安全を第一とした目線が逸れない程度の上質なヘドバンとさせて頂いておりますことを報告させて頂きます)…。
そして軽くウルウルさせて頂きました。イヤァ最近涙もろいですな。歳ですかな。昔音楽で泣くなんて何言うてまんねんパーでんねんぐらいなもんでしたが、最近涙が出がちです。でも、同世代の素敵なミュージシャンたちが素敵な活動をしているのだから、しゃあないじゃないですか、イヤ、それが歳をくったということなのか・・・??
ハイそれました。
これ凄まじいセットリストですわね。これで満足しない人なんているのでしょうか。いるとすれば、相当玄人好みのセトリを希望する超絶マニアックファンか、そもそも好きじゃ無いのに聞いてしまった人(何故)くらいではないでしょうか。ていうか、好きじゃ無い人を好きにしてしまうくらいのセットリストですよ、これ。
現地にいた人の幸福を祝い、更に現地にいた気持ちにすらさせてくれるような最高のヤツですわ!!!
Spotifyを入れている方は是非。エルレを聞いたことの無い人にも最高の入門編です。
ELLEGARDEN@Fuji Rock on Spotify
(一番最初に出てきた、個人の方の作成したプレイリストを貼らせて頂いております)
序盤からガンガンに飛ばし、9,10で一息、そしてそこからまたマックス最高速で駆け抜ける!!!そして俺たち燃え尽きる!!!!
時代的にも非常にまんべんなくフォローされているし、もう最高です!
でも、こうしてみると、後期のアルバム(個人的には4th以降というくくりです)は、シングルや、一部の代表曲(高架線とか)が多く、バンドとして非常にヒリヒリした、シリアスな時期だったのかなぁ、という気がします。「フェス」というフィールドはこのような選曲になるんだよな、っていう。ただ、それだけシリアスなバンドだったからこそ、活動を休止したし、だからこそ活動を再開したのだろうと思います。ずっとずっと音楽に真剣なんですよね。いや、皆そうだとは思うのですが、彼らは本当に嘘がつけない、ふざけてるくせに最高に生真面目なバンド。
あぁ、もう書けば書くほど、本当に活動を再開してくれて有難う・・・・という気持ちしか出てきません。
そしてですよ!!!われらがライジングにも来ますわよ!!奥様来ますわよ!!!!!
ま…僕は仕事ですがね…。
僕は、そんなにモッシュピットとかに行ったりしないのですが、以前ライジングでエルレを見たときは、本当に我慢ができず突っ込んでいったのも若かりし日の良い思い出です…、嗚呼、なついな、ナツい。モッシュピットから戻ったら腕時計が無くなってたんすよね(遠い目)…。
とにかく!!
最高のライジングになることは保証されているようなものです!!!
行く皆様楽しんで!!!
一応、エルレのベスト盤をはっておきまーす。
RADWIMPS 「グランドエスケープ(Movie edit) feat.三浦透子」
皆様、天気の子、見ましたでしょうか???
(基本映画の本筋には触れてないのですが、この曲について書くということは、どうしても映画の内容にかかわってくるので、まっさらな気持ちで見たいかたは、読まないで映画を見る方がよいかと思います!)
ワタクシ先日見て参りました。何やらトーキョーとかいう大都会では、27時(午前3時)とかいうアパー!!!(春日)な時間に上映しているところがあるようで、それで約2時間の上映を終えて外に出ると日の出とともに世界が僕らを迎い入れてくれるとか!!
あとね!あとね!!見ましたよトゥイッターで!!!!なんかトーキョーではバカでかいスクリーンでみられるんですってね!!!!凄いね!トーキョー凄いね!!!
はい、論点がずれました。
単にうらやましかったんです。いいなぁって。
話を戻します。ちなみにワタクシは札幌の隣町。小樽のイオンシネマで見て参りました。
ネタバレしないように書くのが非常にもどかしい作品ですね!これね!!
もう論じ合いたい!!あのラストはチミはどう思うんだい????
いやぁそれはね、違うよ、とか言い合いたい!!!!
いやいや、そもそも映画の話ではございませんでした。
でも、「天気の子」僕は超大傑作だと思いますので、皆様是非劇場で。
あれをバッチーン!!と作る新海誠監督はたいそう格好よろしい人だと思います!!
惚れる!!マジ惚れる!!!!
すぐにでももう一度見たい!!
で、その挿入歌でありますこの「グランドエスケープ」です。
映画を見てらっしゃらない方には、「愛にできることはまだあるかい」の方がメジャーかもしれません。先日MVも公開されましたしね。
これも本当に素晴らしい曲だと思います。
でも、個人的には、可能であれば映画を見たい方は今回のラッドの楽曲は聞かずに、まずは映画を見ることをおすすめします。
なぜなら、前作「君の名は」以上に今作の楽曲は、より一層映画の本質に近い歌詞と、映画そのもののような音を持っているからです。
変な話、ちょっとしたネタバレのような要素を含んでるんですよね。
それだけ、今回はラッドの楽曲が、ほぼほぼ映画と同化しているんです。
その象徴のような楽曲がこの「グランドエスケープ」です。
CMとかでガンガン流れているので、耳にしている方も多いと思うのですが、この曲のすごさは、音源で聞くとわかりますので、気になる方は是非ダウンロード(ラッドの多くの曲がそうであるように、今作も今のところサブスクは解禁されておりません・・・)やサントラを購入して聞いてみて下さい。ただ、しつこいですが、ネタバレ感は否めないので、映画を見る予定の方は後の方がよいかと。
ちなみにこの予告編②でこの曲のザックリした部分を聞くことができます。
この曲の凄さは、映画と同化した歌詞と、いびつなまでに映画に溶け込んだメロディ・アレンジです。
特に最後の歌詞(この後で歌詞を引用しますのでー!!まっさらな状態で見たい方は読まないで!偉そうに指示してゴメンネ!ごめんね!!)
怖くないわけない でもとまんない
ピンチの先回りしたって 僕らじゃしょうがない
僕らの恋が言う 声が言う
「行け」と言う
あぁ、もう映画を思い出してこれだけで泣きそうですわ。
ちなみに、どうでもいいでしょうが、書きますとね。私この映画でこの曲がかかったあたりから、何度にもわたり嗚咽しながら泣きました。アラフォーのオッサンですがね!悪いか!!いいよね!!!
これ、ラッドの凄さというか、野田さんの凄さが久々に映画というフォーマットの力を借りて大爆発した歌詞だと思うんですよ。だって「恋が言う」ですよ!?書けます?普通??
そして、この曲。聞いてもらえるとわかるのですが、静かに始まって、だんだんと綺麗なメロディが加速していき、最後はクラップと大合唱みたいになって、突然終わります。約3分。ポップソングとしてはすこぶる歪な形をしています。
この最も盛り上がる箇所もサビというよりは大サビ、もしくはものすごく盛り上がるCメロみたい。そして盛り上げるだけ盛り上げておいて、突然この曲は終わります。
つまり、「君の名は」のラッドの曲は劇伴でありながら、movie ver.であっても、しっかりとラッドの名曲のていをなしていました。今作の楽曲は、より一層、映画と心中している曲たちなんです。映画の求める形に何のためらいもなく、同化してるんです。ポップソングの形を否定するかのように。そう、この作品の帆高と陽菜(主人公の男の子と女の子です)のように。決められたルールなんかよりも、自分の最もあるべき形を優先した、この曲もまさに天気の子なんだと思います。
それでも、というか、それだからこそ。この曲はとんでもない名曲です。だって、これを聞くだけで、僕らをあの映画の中の世界に連れて行ってくれる。これ以上の名曲ってないでしょう??
でもって、もちろんこの曲を語るうえで欠かせないのは、vo.である「三浦透子」さんの存在です。本当に素晴らしい歌声。
派手な個性があるわけではないと思うんですが、確かにこの人のこの声じゃないとダメ
思わせる魅力と説得力があります。
失礼ながら彼女のことを僕は全く存じ上げませんでしたが、2代目なっちゃんなんですね。懐かしい…。でもって、彼女のカバーアルバム「かくしてわたしは、透明からはじめることにした」がサブスク配信されてますので、ぜひ。本当に素敵な声です。でも、今作の彼女の声の方が、より一層魅力を増しているように感じました。
彼女の声の凄さは、すべての声の場所「発せられた瞬間」「その声がのびるとき」「最後途切れるとき」のすべてに同じだけ感情がしっかりと込められていて、一瞬たりとも思いが途切れることが無い、ということだと思います。これはそうそういないと思うんです。そして、低音で歌うAメロのような箇所と、より高い声で歌うサビのような箇所
それぞれに強い強い魅力がある。おんなじ人の声なんですが、どちらも違いがあって、どちらにも強く惹かれる。
これらの要素を男性でも持っている人がいるな、と思ったときに出てきたのがラッドの野田さんでした。そりゃこの曲でも歌ってるしそうだろうよボケナス!とお思いかもしれませんが、この全域に強い魅力を持つ声、というのはそうそういないと思うんです。しかもその魅力の構造がものすごくこの二人は似ている。これもある意味帆高と陽菜なんじゃないですかね。
とにかく、素晴らしい映画と素晴らしい楽曲でした。
この曲以外もラッドの曲、もちろんヴォーカルの無いインスト楽曲も、とても素晴らしかったです。
とてもとても素晴らしい映画と素晴らしい楽曲でした。
とにかく、この映画の終盤30分ほどは、心を思いっきり鷲掴みにしてくれる、僕にとっては忘れ得ぬ体験でした。
そして、この曲は、本当に本当に素晴らしい!!!
【Amazon.co.jp限定】天気の子【特典:CDサイズカード「風たちの声」ver.付】
- アーティスト: RADWIMPS
- 出版社/メーカー: Universal Music =music=
- 発売日: 2019/07/19
- メディア: CD
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BUMP OF CHICKEN 「aurora arc」
めっちゃ聞いてます。このアルバムをワタクシめっちゃ聞かせて貰っております。
まず、サブスクリプションにて当日配信開始して頂き、本当にありがとうございます!!ありがてぇ!マジありがてぇ!!
そして、このアルバムは、その同時配信にふさわしいアルバムだと思います。配信を聞いて、更に深くその世界観を知りたい、より良い音質で聞きたい、歌詞カードを手元ににおいて聞きたい、と思ってCDを手にする人は少なからずいると思うからです。
正直言って、個人的には失礼ながら、このアルバムに、そこまで強い期待をしていませんでした。以前ブログでも書かせて貰いましたが、なにせ純然たる新曲はわずかですし、ある種の「ベスト盤」のようなアルバム。そして、正直そこまで派手な楽曲があるようにも思っていませんでした。数々の配信曲は、僕はダウンロードはしておらず(自分の家のネット環境が、PCが古いせいかitunesダウンロードができなくなった、というのもあるのですが・・・)、MVが配信されたら、見る程度でした。(でも全て見てはいます)
そのアルバムを、配信当日から今日まで、何度も何度も聞いた感想としては、これは、最高傑作なのでは??ということです。
いや、なのでは、ではなく「最高傑作」です。本当に素晴らしいアルバム。
僕の中でバンプの最高傑作は不動の「THE LIVING DEAD」です。その位置は、今でも変わりません。今作は、全く違う角度、今の彼らが描く世界の最高到達点、最高傑作なのです。へりくつみたいですみませんが、両作1位!!というわけではなく、比べられるものではない、ある種別の競技のようなものだと思うんです(それを考えていくと全作一位というバンドではあるんですが)。
とにかく全ての曲が素晴らしい。とてもとても丁寧に、その世界観を表現している。元々バンプはそういうバンドだと言うのは勿論知っています。楽曲に考えられないほど真剣に真剣に向き合い続けるバンドです。その彼らが、月日を経て、多くのスキルを身につけ、「ray」以降の打ち込み等、サウンド面でも多様な武器を手にしたうえで、今作はとても大きな懐がある、すこぶる繊細でありつつ、大河のような優しさ、安定感がある。日本のポップ、ロックシーンのど真ん中でありながら、未だ手作業のような職人性、彼らの絆からしか生み出しようのない特異性を全ての場所に兼ね備えている。
そもそも、今作はシングルの詰め合わせではないのではないか??
というのを聞けば聞くほど思いました。
意図しているのかは、僕には全くわからないですけど、シングルはあくまでも、アルバムを様々な角度から我々に見せてくれる、ある種映画のティザー映像のような、アルバムの断片だったんじゃないか、と思うんです。シングル、という落としどころではなく、あくまでもアルバムの一部としての楽曲発表。「そりゃ、アルバムにシングルは大概入るんだから当たり前だろこのポンコツ!!」と思われるかもしれませんが、通常シングルはやはりシングルなんです。今回は、1曲で顔も体も足先まであるものではなくて、大木の一部をいろんな切り口で紹介してきたもののように感じたんです。実際、このシングル群でCDとしてリリースされているのは「話がしたいよ/シリウス/スピカ」のみ。あとは配信限定であることも象徴的なのではないでしょうか。
そう考えると、これもユグドラシルなのかもしれないですね。でも、今作のタイトルは「aurora arc」。物語の中ではなく、あくまでも現実に、僕らの世界に存在する、実存するものにこのストーリーを委ねている。これはとてもこのアルバムらしいタイトルだと思います。
自由に楽曲を聞くことのできるのが、サブスクリプションのメリットだと思うのですが、やはりこれは、この曲順で、最後まで聞いてこそのアルバムだと思います。
このアルバムは、不器用な、でも世界一温かいぬくもりをもった、職人さんの手のような、でもその手を見つめると、遠い宇宙まで感じられるような。彼らの歩んできた道のりでしか描くことはできない、美しく、強い、地にささったフラッグのようなアルバムです。ただただ、こうやって感想を書かせてもらうだけでも、「ユグドラシル」や「フラッグ」と彼らが今まで描いてきたモチーフがふっと浮かびます。今回の彼らのツアーは「aurora ark」。arc「弧」からark「箱舟」に変わりました。箱舟も今までの彼らの作品に出てきたモチーフです。彼らの描く楽曲、アルバムの世界はすべてつながっているから、なのだと思います。いつまでも彼らの曲は「君と僕」であり、「君は僕だ」なのでしょう。だからこそ当然世界はつながってくるんだと思います。そんな誠実すぎるほどに誠実なbump of chickenというバンドの描く、今までで最もリアルで、最も美しい作品が、今作、「aurora arc」だと思います。
雨のパレード 「Summer Time Magic」
1月にベースの是永さんが脱退し、3人での活動となった「雨のパレード」。その後4月にリリースされた新生雨のパレードの「Ahead Ahead」はバンドという縛りから解放されたこともあってか、大きく打ち込みのダンスミュージックに舵を切った1曲でした。元々その傾向はあったバンドだと思うのですが、これをきっかけに一気に解放された印象があります。Vo.福永氏の髪型もちょっとワイルドな感じに一新されたことも相まって(?)、さらにこれからが楽しみになる一曲でした・・・。
が、
いや、「が」っていうようなものではないんですよ。僕の非常に勝手な印象なんですが、この「Ahead Ahead」という歌詞が「アヘッ アヘッ」という感じで、歌ってらっしゃるもので・・・、もう、何というか世代ですかね。完全にカンペイちゃんのアヘに変換されてしまい、且つ、福永氏歌声が非常にセクシーなものですから・・・、マックスセクシーな寛平ちゃんが脳内再生されるという、全っっったく歌とは関係ないところで落ち着いて聞けなかったのでございます。残念!!!!(お前がな、という話です)
で!!!!満を持してリリースされた新曲!!!今作に寛平ちゃんは居ません(あたりまえ)!!!
これマジ最高じゃないですかぁ!!!!
更にバンドサウンドから解放されて、ほっといても開放的な夏のバイブスが最高の相乗効果を!!!
そしてもって、この福永氏のセクシーボイスは、セクシーでありながらとても品があるんですよね。それが夏の開放感と、その陰に隠れる思惑や、背徳感みたいなものもキッチリと内包してる。だから、昼間の快晴のビーチでも、その向かうカーステレオ(古いの?!カーステって言うの今のボーイズ&ガールズも!?)でも、夜の様々なシチュエーションでも、しっかりと僕らの気持ちを上に上にあげてくれる。
とにかく、踊ることもできるし、ただ聞いていてもワクワクドキドキする。アラフォーのオッサンであるワタクシでもアガるんだから、恋しちゃってるBOYSやGIRLSなんてもうたまんないッスよねこれ!!!!油断すると一人でヘッドフォンで聴いてても「フゥゥゥウウ!」とか「フォー!!!」とか言って、周りの視線を(悪い意味で)独り占めしかねないですよこれ!
個人的サマーアンセム今年第一号です!!!
でもってPVも最高にこの曲らしい感じでステキでありますわよ!!!
桜エビ~ず 「さいしょのさいしょ」
今まで桜エビ~ずの12か月連続リリースを、「いや、バランスとして桜エビ書きすぎだろ」「毎月出してるからって書きゃいいってもんじゃないだろ」「何言ってんだYO!全曲最高だから俺のブログパワーが「書きたいっ」って叫んでんだYO!!!」と書きまくりに書きまくらせて頂いておりました。それがとうとう、完結。5月31日のこの「さいしょのさいしょ」で完結でアリマス!!YEAH!!!寂しいYO!!!
ん???
あれ?????
五月??????
月日、経っちゃってNight?????
YES!
経っちゃってマーーーーーース!!!
いや、これはですね、正直に書きますと、忘れていたとかではなく、
「この曲はどう書けば??」
という感じだったんです。
11曲目、「ねぇローファー」まで、ありえない程に完璧だったリリース。
「完璧」というのは、もちろん、単純に曲が全て素晴らしかったし、詞も、もちろんメンバーの歌、個性、ダンス。全てが考えられないくらいい高水準だったというのもあるんですが、何よりも「ものの見事にありそうでないところをついてきた」というところだと思うんです。今ベビーメタルが出てきても、正直そこまで驚かないと思うんですよね(イヤ、実際あのクオリティを見たら驚きますけど、ジャンルとして、という意味です)。それ程に日本のアイドルの楽曲はやたらめったら多様になった。そんな中で、大きくジャンルが飛躍するわけでもないのに、見事に「あ!これはうまいところを!!」という楽曲がバチンバチン出てきたのがこの11か月だったと思うのです。
で、このラスト12曲目。
一つ、誤解しないで頂きたいのは、決して悪い曲ではないです。作詞作曲は連続リリース第3弾の「まわるまわるまわる」と同じヤマモトショウさんと藤田卓也さんコンビだし、特に詞は凄く良いです。今までの連続リリースの歌詞をさりげなく入れていたり、「はじまり」ととても素敵に描いている。
正直、ちょっとびっくりしたのはアレンジだったんです。今まで凝りに凝っていたのが、とても簡易的に作られてるように僕には感じまして…。よく秋元先生が言う、「街中のスピーカーで流れていても良いと感じられる曲」アレンジのような感じ。もしかしたらとても凄いことをやってるのかもしれないですが、僕にはそう感じたんですよね。
でも、この2ヶ月、聞いたり聞かなかったりして、だんだんわかってきました。
これは、12か月で「終わり」ではない!ということなんじゃないですかね。
大仰な、それこそストリングスバチーン!!!みたいな曲をここに持ってきたら、これから始まっていくはずの、未来に希望多き桜エビ~ずが、12か月の長い戦いの果て、終わりを迎えたようになってしまう。
決してそうではなく、ここからむしろ始まるんだ、ということを、極めて自然体に届けた、12か月ラストシングルだったのではないでしょうか。
だから、軽いんです。軽い。
春の、それか、初夏のような、スキップを踏んで歩くような軽さ。
軽快さ。
それが、この曲なんだと思います。だから「さいしょのさいしょ」なんです。きっと!!
12か月連続は終わりじゃないんだ、という。
しかも、猛ダッシュで駆け抜けろ!!!
というよりも、「さぁさ、いきましょ」という日常から始まるような。
だから、「世界」と「きみとぼく」をサラッと描いた、この曲こそが、この立ち位置に相応しいのだろうと思います。
この後は、これらの連続リリース曲12曲に新曲1曲を加えたアルバム「octave」が8月21日にリリースされます!どのような曲順でどのような新曲が更なる彩を加えるのか!楽しみッス!!
しかしね…、藤井さん(マネージャー)が不器用なのか、スタダがそうなのかは知りませんが…、このアルバムについてホームページから見つけられないんですけども…。僕が不器用なんスかね…。今までも曲の配信リリースとはズレにズレたタイミングでPVが出てきたり、と何と言うかね・・・もどかしいんですよ!!彼女らの実力をもってしたら、このウン十倍は売れて日本じゅう、いや!世界中が夢中になって、アメリカのジェイク(仮名)から「ねぇタック(僕)、アノ、ミズハ??ってコはァ、ドゥして、ズィブンのことWO、「僕」ってイウんだダィ???」みたいな質問が僕のもとに届いたっていいくらいの潜在能力がありますんで!!!潜在してる場合じゃないんスYO!!!