The Weeknd 「アフター・アワーズ」
こりゃ格好良いや。メロディもドラマチックでメランコリックで最高だや。
以前にも書いたのだけど、ワタクシは、基本邦楽を軸に聞いてるが、話題の洋楽関係は基本1度は聞いている。が、ダメなことが多い。音が格好良いのはわかるのだけど、ラップばかりだと、どうしても詞がわからないことが原因なのか、何度も聞こうと思わない。これは自分の雑さとか適当さなのかもしれないな、と思うけど正直よくわからない。ゆえ、洋楽で聞き続けるアルバムは最近はとても少ない。
でも、たまにピンときて、聞くものもある。ラップのものはやはり少ないのだけど。サンダーキャットとか、ボン・イヴェールとかは「なんじゃこりゃ!格好良い!!」と思った。ホレ、ラップじゃない。ラップが嫌いなわけじゃないので、何故ハマらないのかは、本当によくわからん。でも「すげえな!!マジすげえな!!!」と思う作品は明らかに日本のものよりも洋楽のほうが多いと思う。
で、今作。
あまりに無知なワタクシは、彼もラッパーだと完全に思っていた。本当に申し訳ない。
ので、聞き進めるうちに「あれ?このスウィートかつ、どこか哲学的な雰囲気もあるこの歌声こそが週末さんなの??ゲストヴォーカルじゃないの!?!?てか、weekendじゃなくてweekndなんだね!?!?」とABCを覚えたばかりの小学生英会話並みの理解力と知識をバッコリ発揮致した次第でアリマス。
兎に角、声が良い。僕はソウルフルな歌い上げ系シンガーが好きではなく、音程がはずれるかどうかギリギリの細い声がとても好きだ。だから邦楽が好きなんだろうと思う。例を挙げると、TKプロデュース時代後期の華原の朋ちゃんのシングル曲全般。音程があってるのかどうかすら微妙な歌とか本当に良い。…という嗜好の人にとって、洋楽のヴォーカリストは基本上手すぎる。いや、いいよね。上手いんだから。でも僕にとってはソウジャナイダヨー!という気持ちになる。
が、彼の歌声はとっても好きだ。凄く良い声だと思う。先ほど哲学的な声と書いたが、我ながらイマイチ意味がわからない。どういうことだろうと考えると、何と言うか、とても深い所で、一切僕(リスナー)と交わらない感じがする。深い悲しみを抱えているというか、絶望的な距離、温度差があるように感じる。でも、その距離を超えて、その声は、すぐ近く、耳元よりももっと近くで語りかけてくる。もの凄く遠いのに耳よりも近い声。どういうことだ。どんどんわからないけど、そんな印象のとても美しい声。
そして、曲が良い。めちゃめちゃ切なく、ドラマチックだ。これは日本人も好きだろうと思う。
で、なんたって音の強度が強い。それこそ外から鳴るというより体の内側からうちならされるような感覚がある。これがやっぱり日本の音との最大の違いだろう。一体、日本には何が足りないんだろうか。こういうとこに必死でくらいついているのがワンオクとか、近作のアジカンとかなのだろうと思うのだけど、それをバンドでならそうとするのは大変そうだけど、打ち込みでもやっぱり日本の音楽はこの音が鳴らない。ここさえ打破すれば、案外日本の歌謡的メロディとかは海外でウケたりしないんだろうか。この80年代っぽいアレンジとか、合うと思うんだけど。でも、とすると日本のガラパゴスなのは、曲ではなく音の強さ、ということになるんだろうか。
で、それを打破できたのが例えばBTSとかなんだろうか。確かに今作の雰囲気はちょっと近い感じもする。いや、詳しい人とかだと「なにいうてらっしゃりますのん??」というかもしれないけど、僕は感じた。確かに同じ感じを感じたんだい!
・・・結局なぜかはわからないけど、この「音」を目指して作っている日本のクリエイターの方々はいっぱいいらっしゃるのだろうから、やっぱり日本でこの音を鳴らすというのはきっと凄く難しいんだろう。でも本当、どうすればいいんだろうかね???電圧とかなのかい??
話が逸れたが、とにかく、このアルバム、素晴らしいメロディを素晴らしい声と素晴らしいアレンジで歌った、誰がどう聞いても傑作だろうと思う。しかも飽きない。何周でも聞ける。
そして、最後にこのアルバムのジャケットなんだけども(いや、皆さん見てらっしゃるでしょうが)
マジか・・・どうした一体。と本当に思った。正直このジャケットをツイッターで見て、聞こうと思うまでに多少の時間を要した。
って、アレ??
これってもしかして
この人が海から上がったのか!?!?(違う)
ていうか、近年気に入った2マイがこのジャケットか…。一体なぜかは全くわからないが、どちらも傑作なので是非。
Moment Joon 「Passport & Garcon」
僕は基本的にヒップホップを聞かない…わけではないのだけど、とりあえず洋邦問わず話題になっているものは聞いてみるけど、正直ハマらないことが多い。それは単純に「共感しづらい」のだと思う。なんせかんせ、僕は歳をおえばおうほど、死や痛みを伴う作品がとても苦手になってしまった。ドラマでも、人が苦しむもの(というか、苦しみそうな作品)は見ないし、直接的な表現は苦手だ。それの善し悪しを論ずると、きっと「悪し」が勝つのだろうけど、だからといってこれはそうそう変えられるものではない。
音楽、ヒップホップの話に戻ると、そんな僕でも、年に数作は「これは!」と思うことがあって、今作はまさにその1作だ。ていうか、個人的にはこれはおそらく年間ベストなんじゃないかと思う。
ある時期、日本の音楽の悲劇は、「歌うべきテーマをもたない」ことと言われていた。おしなべて、のっぺらとした平和な社会、基本中流階級の経済的安定、治安の良さ。今思えば、当時から全くもってそんなことは無かったのだろうと思うのだけど、そして、今は全くそうではないと思うのだけど・・・。その点において、彼は明確なテーマ、「韓国出身で大阪在住、自らが受けた様々な差別、よそ者である、という意識」がある。このアルバムで、彼は、おそらく誇張でも何でも無く、自らが受けた扱い、自分が日本の社会において感じていることをしっかりと自分の言葉でリリックで届けてくる。そのフロウは日本語を使いながら、韓国語の風合いがある。それが彼の立ち位置を、日本語を使いながらも自国のアイデンティティではないこと、でも、それ自体が彼のアイデンティティであることを痛烈に表現している。
それを聞くと、そこには彼の届けようとするメッセージ、感情と、その言葉はとてもクリアに高い純度でつながっているように感じる。僕は日本語しかわからないので、自分の感情を他者に届けるツールとして、他国の言語がどこまで機能するのかはわからないけど、この身に着けることが「難しい」とされる日本語でも、どれだけ適切な言葉を用いても自分の伝えたいことの50パーセントも届けられてないな、と思うことは多々ある。でも、彼のリリックはとても「伝わる」気がする。ズレが少ないように感じる。だからこそ、そのリアルは、勝手な表現かもしれないけど、自分のことのように伝わる。その差別は、レベルこそ違うかもしれないけど、自分が社会において感じていることと共鳴しているように思う。漫然と日本に生きている僕のような人間は、ここで反省すべきこと、行動を起こすべきことがいっぱいあるのはわかる。でも、それ以前に僕はこのアルバムにとても共感した。そして、勇気づけられた。
ただ、それで終わっては意味がないのだろう。僕自身は思想としては左翼的だと思うし、少なくともレイシストではない…筈だ(でも、自分の感情の赴くままに行動・発言すると、危ういな、と思うこともある。本当にそれは情けないし愚かなことだと思う)。でも、だからといって何かを行動に移しているわけではない。どころか、カウンターのような汚い言葉に強い反対を言葉で表明するのは、お花畑かもしれないけど、反対的な考えを持ってしまう。でも、でもやっぱり、自分はそのスタンスできっと生きていくと思う。そんな自分に今できるのは、この音楽を愛し、それを否定するものをきちんと否定することじゃないだろうか。こんな自分であっても、それくらいはやりたい。
あと、リリックばかりについて書いてしまったが、このアルバム、トラックがめっちゃめちゃ格好良い。音が研ぎ澄まされているだけじゃなく、しっかりと音に「世界」がある。色があって、空間がある。
まさに今鳴っている音楽であり、聴きたい音楽だ。最高のラッパーMomentJoonがこの時代にいることはとても大切なことと思う。
LONGMAN 「Replay」
日本人はいつまでも成長しないで、自分は思春期の中にいると思っている。
的な文章を最近見た。「天気の子」に対する評だったと思うのだけど。
確かに僕は、あの映画を見て、主人公の二人に入れ込みまくってみて、誇張でも何でもなく映画館で嗚咽するほど泣いた。御年42歳。後厄なり。
まぁ、いわゆるところの「モラトリアム」というくくりであろうか。
で、そんな論調で知った。そうか、日本人って結構そんな感じか。僕だけ、とは思わないけど、俺はちょいとキモいアラフォーだなぁ、きっと、でもしゃあないよな。と思っていた。でも皆そうとなるとそれはマズイ。それではきっと国家が成立しない。
確かに、様々なメディアコンテンツを考えても明らかに日本は幼く、閉じている。あと、成長してない。おんなじ物をおんなじく愛でている。おそらく映画が顕著で、きっとヘタしたら、ロッキーとT2で止まってんじゃねぇか、という気すらする。言いすぎか。言いすぎだな。すまぬすまぬ。
で、音楽もおそらくそうだ。結局海外の流行に対する刷新がされない。
だから、きっと日本からはBTSは今のところ生まれない。CHAIは生まれてもBLACKPINKは生まれない。ということは、やはり実体としてメインストリームには届いていない。それは、ONE OK ROCK等もそうだろう。もちろんCHAIは最高だけど、そもそも日本でだって大ブレイクはしていない。
その日本のシーンというものの象徴的な最たる例が、俗にいうロキノン系であり、ギターポップ、あと、ライトな意味合いでの「パンク」だろうと思う。その青さこそが、モラトリアムであり、日本のガラパゴス的側面なんだろう。
そして、僕はその青さがすこぶる大好きだ。そこから離れたくない。
でも、皆がそれではダメだ。経済が成り立たない。ので、皆は早くこの村から出て行ってほしい。僕は残るから。頼む。ダメか。
で、この曲だ。
もうこれ、ど真ん中だ。
ゆるキャン△という、ドラマの主題歌で、たまたまamazonのプライムビデオを見てたら出てきた。丁度「ひとりキャンプで食って寝る」を遅ればせながら見ていた僕としては、一人キャンプ妄想にハマっていた(これも本当にアレだけどな!)ところで、「あら、こんなところにまたキャンプ!」とボンヤリ見ていて、僕世代のお父さんたちが皆そう思う(はず)ように、あらまぁ、まいんちゃん、大きくなって…。と思っていたら、この主題歌にガッツーンと打ち抜かれた。
ひたすらにわかりやすい決別の歌だ。
僕は大学を卒業して就職する自分を思い浮かべて、グッときた。
でも、本当にそれが自分なのかわからん。もしそうだとしたら、なんせ20年も前の話だ。この妄想をこの現代の曲に重ねるのは考えてみたら相当におこがましい。
そして、人は都合よく歌詞を解釈する。
この歌は、ただただ「あのころは良かった」ソングではない。
いつまでも擦り切れず残った
あの頃の夢だけが今も一人
明日へと向かって歩いてく
という歌詞が繰り返されるように、
過去と決別しながらもその夢だけは今も共に歩いている歌だ。
たぶん。
夢だけ一人歩いて行ってしまった…というある種絶望的に切ない歌では無い筈だ。
しかし、絶望的なのは自分の歌詞の理解力だ。申し訳ない!!
話を戻すと、この歌詞があるにも関わらず、僕の脳裏に残るのは完全にこの2行
Good-bye もう戻らない日々よ
Good-bye どうか幸せでいて
とても青く美しい伸びやかなVo.頼木さんの歌声で歌われるこのサビ。
サビなんだから、ここがキーで合ってるのかもしれないけど、とにかく、僕にとってはもうここが全て。この歌詞こそこの歌くらいに思う。これぞ解釈だ。勝手だ。
もう、たまらなく青い。理屈じゃない。それだけでセピアに思い出が輝きだすんだよ…。
この青さこそ、J-POPだし、その真骨頂だ。最高だ。ガラパゴスがなんだ。最高だよ。
でも、だ。やっぱりいいじゃないか、と思う。
別に僕は音楽評論家でもないし、世界基準を気にして音楽を聞く必要もない。
ただ、ただ、この音楽の世界で思い出に浸って、明日元気に歩いて行けるなら最高じゃないか。
確実にこの曲にしか救うことができない感情が僕の中のどこかにある程度の量あって、それをこの曲を聞くことで、ぐっと持ち上げてくれる。これが音楽の素晴らしさだ。間違いない。
ありがとう、LONGMAN。ありがとう僕の青春の日々よ。
内田万里 「Pom-pi-Dou」
元ふくろうずの内田さんの3月リリースのソロアルバムからの先行配信3曲。
ふくろうず解散後もマイペースながらしっかりとソロとしての活動を続けてきた(らしい(北海道にいる僕にはちょっとの情報しか無かったス))が、楽曲は通常の物流や配信、定額ストリーミング等では扱っていなかったので、僕は聞いていなかった。昨日、ふと自分のapplemusicのプレイリストを眺めていたら、昔作ったふくろうずのプレイリストが出てきて、久しぶりに聞き直したらとてもとても良くって、それで「もしかして内田さん配信してないかなぁー」と思って調べたらこれが出てきた。運命だね!ウ・ン・メ・イ!!
で、3月3日リリースのアルバム「PEE-ka-BOO」からの先行曲。これは、ソロで最初に出したアルバムの曲なんだろう。だっておんなじ曲名のあるもの。間違いない。
今作(アルバム)はナカコーやキセルの辻村氏、沼澤さんらが参加しているとのことだけど、これは以前出ているアルバムの音源なんだろうか。凄く丁寧に、内田さんらしさを描きつつも、ふくろうずとは明らかに違う。やっぱり当たり前だけどこれはソロ作だ。元ふくろうずの卓丸さんがライブや、このアルバムにも参加していても、あの音とは違う・・・と思う(自信不足がち)。芸能人格付けチェック的な不安はあるが、ここは「違う!」と断定していきたい。
改めてapplemusicで聞いたふくろうずは、とてもバンドだった。こんなにバンドなバンドだったっけ??という気がしたけど、1個1個の楽器が凄く主張してる。
そもそもふくろうずは内田さん率いる・・・的なイメージが強いバンドだったと思うけど、ギタ・ベース・ドラムが、1個1個バチコーン!!と音をぶつけまくってくる。良い意味でメジャー的なまとまりがなくって、とっちらかってる。それを内田さんの歌・歌詞が乗ることで、ふくろうずとしか呼べない音になっている。
考えてみれば、ドラムの高城さんがやめた後、サポートドラムを入れず、リズムマシーンを使ったのに打ち込み的なサウンドに移行することも無く(そもそも内田さんはキーボードなのだし、それだって可能性としては全然アリだと思うけど)、「ふくろうず」たる音にこだわってきたバンドだ。メンバーも歌詞もとても不器用だし、不格好だけど、とてもこのバンドで、この音であることには真面目で誠実な人たちだったのだろう。
内田さんの歌詞はメンバーの個性同様とても不器用だ。彼女の少女漫画趣味を反映した詞世界なのだとは思うけど、そこにある・居るのは間違いなく内田さん自身だろうし、彼女はいつもブログでウンコばっか書いてて、ウンコウンコ言っていたけど(イメージが肥大化している可能性があります)、きっと本質はそこではなく(そりゃそうだ)、彼女の詞は、ただひたすらに少女・乙女的なものではなく、どうにもそこにはぬぐえないエゴやカルマ・業が垣間見えていたと思う。
それが、ソロになった今、もっともっと広がっているかというと、そうではないような気が、この3曲からはする。それがふくろうずというバンドのマジックゆえだったのか、意図的にまだソロでは見せていないのか、僕がわかってないのか(詞がちゃんとはわかってないし…)わからないけども。個人的には、もっともっと、勝手で、わがままで、むき出しの音楽が聴きたい。
はたして、アルバムにはどんな曲があるんだろう。てか、配信する…よね??
先行公開してんだもんね???
というわけで、僕にはまだこのアルバムがどんなものになるのかわかんないけど、本当に最高のメロディが書けて、唯一無二な詞がかけて、素晴らしい声の持ち主だと思うので、改めて聞けたことがとても嬉しい。ずっと、ずーっと聞かせてほしいドス。
あ、あと、余談だが、ふくろうずが出てきたとき、「女性版スピッツ」と言われてるのを何度か見たのだけど、いまいちそれが当時はよくわからなかった。あぁ、曲めっちゃいいもな!!くらいに思っていた。でも、確かに、この、表に描かれている世界の陰に覗く「生き物としての血、や生・死」がある感じ、それがべったりと貼りついて離れない感じは、正にスピッツそのもののようにも感じた。
いぎなり東北産 「BUBBLE POPPIN」
なんだよ、この最高な曲・・・。どうして誰も僕に教えてくれなかった。
知っていれば、去年の夏、僕はこの曲に恋してこの曲ばかりを聴いて、夏をアゲでアゲなアゲ夏を過ごしていただろうに・・・。
しかし、安心してほしい(何を)。だって、この曲。サブスク解禁していない。ていうか、「いぎなり東北産」自体全くサブスク解禁していない。さらにていうか、サブスクどころかitunes等配信すらしていない。故、キ・ケ・ナ・イ!!!!何だよルージュマジックか馬鹿野郎!!!チー!!!!。
いや、もちろんyouでtubeれば聞けるんだけどもさ。それじゃイヤなんだよ。容量くうしさ・・・、他の曲だって聴きたいしさ・・・。
で、ちょっと調べてみたら、勿論メジャーデビューしていないのは知ってたのだけど、東北産さんのCDは基本、会場限定なんですな。アマゾンですら流通して無くて、法外な値段のを売っている。ので、貼りませんのでゾンアマ。そんなアーティストに得の無いものはね!!
のでね!お願いだよ。配信してくれよ。メジャーデビューするしないは今の時代そんなに大きなことではないと思うけど、音源はサブスクか、せめて配信してほしい。だってさ、本当にひどい値段になってるし。
で、それはそれ。曲は曲。MVはMV。
結論!最高です!!
最高の曲、最高のMV、最高のグループ。他に何がいる??っていう曲。
いぎなり東北産は、ご存じの方も多いでしょうが、ももクロちゃん、エビ中ちゃんを筆頭とした、スターダストのアイドル集団、スターダストプラネット所属の東北メンバーグループ。スタダのグループ大好きな僕としては、名前は知ってたのだけど、上記の音源未公開も理由だし、正直スタダ所属グループもいっぱいいすぎて聞ききれないというのもあって、ちゃんと聞いたことはなかった。
で、ワタクシこの度、スタダ勢揃いのイベントの映像をyoutubeで見て、ちょっと興味を持ったので、グループ名で検索したら、どうやらこの曲しかMVらしきものが無かったので、見てみたが最後。マジ毎日みています。最高。本当に書くコメントそれだけで良いくらい最高だ。
とにかく、まず曲が良い。夏のアゲ感が半端ない。前に夏のアイドルソング特集を書かせて貰ったのだけど、そこで夏ソングの「せつなさ」最高と書いたが、この曲は正直切なさは大して無い。でも、そのアゲアゲ感こそが、青春だし、ひとときの輝きと思うと、この切なさ無しのアゲソングこそ、一番切ない気もする。
この曲を提供した「パンダライオン」という方々を全く存じ上げなかったが、東北産と同じく宮城を拠点としたグループだそう。そして元Hi-FICAMPのメンバーが中心とのこと。もっともっとメジャー感のある音楽をやっていた人たちの印象があるので、更にメンバーの「ONIDAIKO」の方々の力もあるのかもしれないが、適度なキャッチーさとアクの強さがとても良い。
そして、MV。これがまた最高。ただただ楽しいけど、「終わり」の映像から始まることで、どこか楽しさだけではない感情が残るのもよいし、何たってただただ、振り付けと歌が良い。振り付けはきっと様々なオマージュで出来上がってるのだろうと思うのだけど、サビの工藤静香的なフリは激しくキャッチーだし、最後のデューク的なものも唐突で良い。サビが歌ってないのも潔くて好き(ももクロちゃんのころからこの辺はとてもスタダは割り切っていると思う)。
あと、これは曲ではなくグループについてだけど、9人グループというのがとても迫力があってよい。ただ整ったフォーメーションをこなすのではなく、個を重視したリズム感のあるダンスが、ちょっとリリスクとかのヒップホップアイドルグループにちょいと寄った感じもして凄く楽しい。
要は、とにかく、ぜひぜひ見て頂きたい!
そして、今年こそこの曲を聞いて夏をアツく駆け抜けたい(ワタクシ42歳既婚、子3人(超かわいい)ですがね)!!!ので!!!是非にサブスク配信を!!!!
それにしても、知らない名曲がアイドル界隈は溢れてるんだろうと思う。サブスクやyoutubeの時代ゆえ、いくらだって掘り進められるし発見できるけど、その指針がみえづらい(雑誌等で知りづらい)のも現代的。
でも、こういう最高な曲を知ると、本当に「楽しい!音楽サイコー!!」と思う。
sard underground 「ZARD tribute」「少しづつ 少しづつ」
ワタクシ現在、42歳。
音楽を聴くのが好きになったのは中学生の頃で、最初にはまったのはTMネットワークと槇原敬之だった(嗚呼、マッキー・・・)。
そして、高校生になった頃は思いっきりビーイングにハマっていた。ちょうどその頃「やっぱ洋楽ってかっこいいじゃーん」とか思ってボンジョビとマライアに手を出したけど、まるでピンとこず。結局洋楽をちゃんと聴くようになるのは大学に入ってオアシスやブラーを聞いてからだった。結局その音楽趣味が今でもベースにあると思うし、それはそれで良いと思うの。趣味ですのでね!!!
で、中でもWANDSとZARDはシングルも買いそろえるほど大好きだった。特にZARDのアルバム「揺れる想い」は、学校祭準備中に、授業が終わった後の掃除時間15分くらいの間に自転車をかっ飛ばして発売日に駅前のCDショップまで買いに行ったこと、その日が暑い一日だったことまで覚えている。人の記憶ってなんでこんなにムラがあるのか。他に覚えるべきことは山のようにあるだろうにね!
とにかく聞きまくった。この「揺れる想い」と、次作「OH MY LOVE」はレコードならマジですりきれんじゃないかってくらい聞いた。まさに青春の思い出だ。
で、だ。前にもこのブログで書かせて頂いたが、現在時は2020年。サブスクリプション(定額ストリーミング)全盛期。ビーイング系アーティストは一部の例外を除いて、サブスクを解禁していない。僕は正直、20代中頃くらい、それこそビーイングの勢いが衰えたころに、世の流れそのままにフェードアウトしてしまったので、今現在は、そこまで熱心なリスナーでは無いと思うけど、今でも聞きたいと思う。めっちゃ思う。REVやT-BOLAN(今日ダイゴのアー写がそのまんまT-BOLANジャケ写の森友さんでびっくりしました)、マニッシュやFIELD OF VIEWなど、買うには至らないが聞きたい人がいっぱい居る。是非サブスク解禁を検討してほしいところだが、おそらくビーイングさんにその気はない。
今回書かせて貰った、この「sard underground」というグループはアルバムタイトルからもわかるように、ZARDの楽曲をカバーすることを前提として活動しているバンドだ。みんな若くてかわいいし、普通にアイドルやガールズバンドで考えてもとても花のあるメンバーだと思う。
そもそもビーイング系アーティストは、90年代当初から既に、時代とはある程度乖離していた印象がある。必ずサビの歌詞がタイトルになる楽曲群は、とてもキャッチーでドラマチックでありながら、リズムを放棄したようなところがあって、そこが好き嫌いを分けていたし、それこそ洋楽好きな人たちは、馬鹿にしてるというか、敵のように扱っていた(と思う)。でも、そこが僕にとっては魅力的だったし、実際に一つのシーンを形成していた。
で、話を戻すと、sard undergroundのメンバーは、そのある種の「ビーイングの定義」をもしっかりとトリビュートしている。服装、雰囲気。特に坂井泉水さんの歌詞メモから生まれたという初のオリジナル曲「少しづつ 少しづつ」は曲名も「もう少し あと少し」を想起するし、ジャケットもZARDのデビュー曲「goodbye my loneliness」にとても似ている(別のシングルでもとても似たのがあったと思うのだけど、検索しても出てこず…)。そして、個々メンバーの服装も坂井さんのイメージを踏襲しているように見える。でも、そこのワクには収まりきらないところだってあると思うし、今の時代、Twitterやらインスタやら様々にあるわけで、そこでは当時のビーイングの「実在しないんじゃないか」的な感じは全くなく、しっかりと今生きている彼女達が見える(そもそもTwitter等を禁止してないのだから、わかったうえで、それも含めて、なんだろうし)。そして、このトリビュートアルバムは、つい先日サブスク解禁!!(で、聞いた、というかそれをきっかけに彼女達を知りました!!)。
だからこそ、是非是非ビーイングと時代をつなぐ存在になって貰いたいし、ぜひにこの勢いでZARDもサブスクを解禁してほしい。でも、無いよねきっと。さっきも「その気はない」と書かせてもらったけど、このタイミングでZARDの過去シングルをマキシサイズにして再リリースしているので。そしてしかも、しっかりとチャートに入っているので。そう考えるとビーイングがやろうとしていることも狭いエリアでは合っているのかもしれない。でも、色んな機会損失をしているような気が僕はする。確かにZARDはライブはもうできないのだから、サブスク収入ではアレなのかもしれないけど、でもそれでも解禁してほしい!!
で、今度こそ話をこのアルバムに戻す!
このトリビュートアルバムという名の世にも珍しいデビューアルバムは、とても不思議なアルバムだ。ド素人の僕でも、「あれ?」という感じがする。
まず、ボーカルの声の取り方なのか、凄く曲によって声が違う。いろんな表現というわけではなくて、とてもばらついて聞こえる。あと、リズムを打ち込み主導にしているからなのか、ある種、本家ZARDよりも古く聞こえる。というか、いっそう時代から離れて聞こえる。確かに時代は打ち込みのリズムがシーンの中心なのだろうけど、その音とは全く違う。そこに寄せようともきっとしていない。更に、キーボードの音の選び方も凄く独特。びっくりするくらいご家庭のキーボードみたいな音の曲もあるし、え?それ???っていうフレーズも結構いっぱいある。失礼な言い方とは思うけど、学際バンドのカバーみたいな感じがする曲もある。
でも、何度も聞きたくなる。
それはZARDの曲をそもそも好きだ、というのももちろんあるけど、それ以上に、このアルバムにしかない魅力があふれているからだ。
ボーカル神野さんは、坂井さんの声とはもちろん違うけれども、独特な揺らぎがとっても魅力的なボーカリストだし、声の取っ散らかりも、きっと成長速度の速さゆえ、なんじゃないかと思う(それをそのままに入れるのも斬新だけども)。正直演奏は発展途上な感じがするけど、そもそも破綻が無い、整いすぎているビーイング楽曲を崩す形になってて、そこも楽しい。
この後も、様々なトリビュートと、オリジナル曲を組み合わせていくのだろうし、是非続いていってほしい。そして、個人的には作詞がメンバーで、盤石のビーイング作曲陣の曲が聞きたい。批判もあるかもしれないけど、彼女たちの道のりは彼女達が決めて進んでいった方が絶対に面白いはず。
(このシングル曲は現段階ではサブスク未解禁です)
maison book girl 「海と宇宙の子供たち」
僭越ながら、勝手に昨年ベストに選ばせて貰った1枚。
というわけで、当然ながらめっちゃ聞いている。聞きまくっている。
うん、良い。聞きやすい。
もちろん、必殺の変拍子曲「悲しみの子供たち」のような曲もある。
あ、お恥ずかしながらワタクシ変拍子変拍子言っているがイマイチわかっていない。ようはウン分のハン拍子がゴン分のヴァン拍子に変わる、曲の中でテンポやら展開がガンガン変わるってことなんだろうけど、じゃあヒャダイン氏の曲は変拍子なのかといえば、きっと拍子は変わってないんだろう。わかるようなわからないようなだ。
まぁ、わかるようなわからないようなだ、とかアホみたいに言って放置するから理解に至らない。そんな僕でもかけるぜブログ。ありがとうブログ。
とにかく、この「悲しみの子供たち」は変拍子曲だ。確かにこれはわかりやすい、気がする。
でも、とにかく聞きやすい曲が多い。ポップだし、ドラマチックだ。そもそもmaison book girl(以下ブクガ)はドラマチックなんだけど、今作は一段とわかりやすいし、歌謡曲的ですらある。
完成度に関しては、前作「yume」は超絶グレート最高峰に完成されていたし、ブクガという世界観をとてもはっきりと、ぶれない形でプレゼンテーションするすんばらしい一枚だったと思う。それを超えているかと言われると、「超えていない」。というよりも「そこじゃない」。前作が本の家の少女たちが体験する「異世界、病室、サナトリウム」の1枚だったとすると、今作は夜が明け、新たな登場人物(人物?)が増え・・・そして、フィールドが「すぐ、そこ」になった印象がとても強い。
最初に書いたように、今作は「聞きやすい」。だから、僕も仕事に行くとき帰るとき、寝るときなど、様々な場面で聞いている。そここそが今作のヤバさだ。異世界ではなく、夢・白昼夢ですらない。完全な「今」の目に見える全てをこのアルバムは浸食してくる。ハッキングしてるのかもしれない。夢という余白を与えてくれない。この現実こそが、疑うべき対象のような気がしてくる。
エグい、エグいぜブクガ。
でも、amazon primeで配信されていたドキュメンタリーを見ると、彼女たちは普通の女の子だし、サクライケンタ氏は、ただの君ラジのあずあず好きのヲタだ(すみません、ドキュメンタリーにはその要素はありません)。楽曲も死海文書を解読して作っているわけではない。ただ、そのカジュアルな感じにこそ、さらなるヤバさを感じる。ここまでくると勝手に感じているような気がしてくるが、感じる。
改めてこのアルバムを聞くと、個人的にはエンドロールでかかってそうな曲がとても多い。アルバムなら、最終曲に入ってそうな曲ばかり、と言ってもよい(もちろん全部じゃないけど)。でも、終わらせてくれない。切なさ・寂しさ・少しの暖かさ、みたいなものの後に何か変な余韻がある。ひっかかる。これが異世界への扉か。
繰り返すが、考えすぎのカタマリのような気もする。でも考える。聞く。
うん、良いアルバムだ。最高だ。でも、やっぱりここが…、何か違和感が…、
・・・。えー、というわけで僕は泥沼みたいな聞き方をしてますが、本当にポップで聞きやすいし、サウンドはめっちゃ格好良い、ブクガ入門編としてこれ以上すばらしいものはないと思うので、老若男女、フンニャラボーイからウンニャラガールまで、是非聞いていただきたいアルバムどす。
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