視覚効果のある音楽 haruka nakamura 「光」
僕がここ1年~2年で、最も多く聞いたアーティストはおそらくこのharuka nakamuraさん(か、私立恵比寿ち…(割愛))だと思います。休日といえば我が家では(エビ中を聞くわけにはいかな…(割愛))このハルカさんが大概流れています。
もともとインストゥルメンタルに詳しいわけでは全くなく、たまにスペシャルアザーズとかを聞く程度だったんですが、家で何かをするときに流すのに良い音楽を探していたら、音楽ではなく、お店を知りました、ネットで。西荻窪にある「雨と休日」というお店で、今はお店はたたんで、オンラインショップのみとなっておりますが、とっても素敵なお店(サイト)で「雨の日や休みの日にゆったり聴いてほしいという思いが込められた」CDが揃っていて、情景が浮かぶような紹介文と、ジャケットの細かなところまでわかりやすく紹介してくださっています。しかし、本当に今は便利な世の中で、西荻窪がどこにあるのか、南とか北とかがあるのかすらもわからない僕のような田舎のオッサンでも知ることができるのです。ありがたやー。
で、そこで知ったのがharuka nakamuraさんです。「音楽のある風景」というアルバムをネット注文して聞きました。とても暖かくて優しいのですが、同時に凄く孤独で、精神を研ぎ澄まされるような感覚も持った、祈りのような音楽でした。ハルカさんは、楽曲をブラッシュアップ?というか、同じ曲を磨き上げていくため、同じ曲でも様々なバージョンがあるのですが、その、現段階での集大成のようなアルバムが、この「光」だと思います。
ジャンルを見ると、「エレクトロニカ」等に分けられていることがあるのですが、どうもこの「エレクトロニカ」の意味が僕にはよくわからず…。個人的には「踊れない電子音楽」みたいな理解なのですが、非常に多様なサウンドがこのジャンルにわけられています。ハルカさん(あ、ちなみに男性です)の音楽は様々な編成で行われており、バンドサウンドの時もありますが、基本はハルカさんのピアノとギター、サックスや弦楽器等が加わるようなイメージで、エレクトロニカというよりももっとオーガニックな、アナログな手触りの音楽です。
「光」というアルバムは1枚目にインストの曲、2枚目にボーカル曲が配されておりますが、個人的にはそのどちらから受ける印象も大きく変わらず、先ほども書いた「祈り」のような音楽だと思います。だからといって、聞く環境や聞く姿勢を押し付けるようなところは全くなく、日常の中で聞き流すように聞くこともできますし、しっかりと向き合って聞くと、一つ一つの楽器の手触りというか、ぬくもりを感じられ、ガッツリ自分の内面と向き合う事もできるような、「個」の音楽にもなります。
そして、とにかくメロディがとてもとてもキレイです。ドラマティックです。題名に「視覚効果のある音楽」と書いたのですが、このアルバムをかけていると、外の緑や、雨、空気の純度がグッと増すような感覚があるんです。緑がより深く、空気の粒子の粒がより細かくなるような感覚。ろうそくの炎もとてもこのアルバムには似合います。
日常の様々な瞬間に添えたくなるような音楽です。
- アーティスト: haruka nakamura PIANO ENSEMBLE
- 出版社/メーカー: Kitchen. Label
- 発売日: 2017/08/08
- メディア: MP3 ダウンロード
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