ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

BOOM BOOM SATELLITES 「SHINE LIKE A BILLION SUNS [album]」

今日はBOOM BOOM SATELLITESのSHINE LIKE A BILLION SUNSです。

ボーカル・ギターの川島道行さんが脳腫瘍のため亡くなってから今月9日で2年となりました。ブンブンは川島さんとプログラミング・ベース担当の中野さんの2人からなるグループです。実際の音源・ライブはそこにドラムのサポートが入っての演奏となりますが、ユニットとしては二人だけ。そのうちの一人が5度にわたる脳腫瘍と戦い続けての活動は、二人にしかわからない様々なことがあったろうと思います。先日中野さんが三回忌とのことで、あらためて「ありがとう」と「さようなら」を告げていました。6月には「中野ミュージック」という、まんまやん、な新会社を設立されていますし、ここから新たに動いていこうということなのだろうと思います。既にねごとのプロデュース(って書くとすごいトンデモナイことをしてるみたいですな)等されてますし、とても楽しみです。

このアルバムは、この後に「LAY YOUR HANDS ON ME」というシングルを最後に出していますが、アルバムとしてはラストアルバムとなります。この「LAY~」がシングルとは思えない作品(4曲だが、川島さんの状態の良いときにとりためたボーカルトラックをどうすれば音源化できるかを考えて作り上げた、ある種アルバム以上の熱量と情報量と思いのこもったまさに「魂の音」の作品)だったので、どうも「ラスト」という気がしないのですが、徹底的に「完璧」にこだわり続けた職人芸のようなブンブンの最後のアルバムが今作です。

ちなみに、中野さんは、川島さん亡き後、川島さんの音源を使用し、見事なまでのラストライブをやり遂げています。それを聞いた時、ものすごくグッと来たのと同時に、本当に不器用に「らしい」人たちだなぁ。と思いました。

ブンブンは1stアルバムがヨーロッパで評価され、逆輸入のような形で日本に入ってきました。今よりももっとテクノよりのアルバムでしたが、その後2nd3rdと闇に深く深く潜ったような、二人だけの戦いのようなアルバムを出した後、4thの「FULL OF ELEVATING PLEASURES」、映画アップルシードの主題歌となったDIVE FOR YOU、そしてふぇすでのアンセムとなった「Kick It Out」でバンドの攻撃性とポップな側面が一気に花開きます。

僕はこの時期にライジングサンでブンブンを初めて見たんですが、第一印象は「(川島さんの)MCの声(の音程が)たか!!!!!」でした…。マジで普段の声が高かったんですが、その後聞いたら確かに高いけどそこまででもなかったです…。なんだったんだろう…。まぁ、結果その日のライブはその印象でおわりま…せーん!!!!

僕が今まで見たライブの中で、このライジングのブンブンが今までで一番です!!!ナンバーワンライブです!!!

本当に本当に本当に格好良かった。この日は雨が降っていて、ブンブンの時はカミナリまでなってました。もうね、「鬼」この一言に尽きます。鬼でしたよ。本当にカミナリ鳴り響く中のブンブンは鬼でしたよ…。オニ、カッコイイ・・・。一つ一つの音の鳴りの格好良さ、雨で光が散って、そこになる電子音。最強でしたね、最強でした。そんな中鳴らされた「DIVE FOR YOU」。雨でもうなんかテンションが変になってたこともあり、もうネジが外れた僕ちゃんは、「ウピー!!!!!」と叫びながら踊り狂いました。ウピーではなかったかもしれませんが、ウピーレベルでした…!!

 

あぁ、今日も本題に入る前にこんなに書いてしまった…。この後のアルバムはポップさを持っていたんですが、個人的には「ギラギラ」してました。よりわかりやすさやロックサウンドに系統するのではなく、なんとも彼ららしい音だったと思います。一つ一つ書くと長くなるのでこの辺で…。

 

で、このアルバムです。

これまでのどのアルバムとも全く違うアルバムだと思います。

基本的に、近作の中では暗いトーンの曲が多いアルバムだと思うのですが、セカンド等の、音自体が他者(世界)への攻撃性や刺々しさを伴ったものとは別物で、凄く純度の高い暗闇の黒、心や他者への攻撃性ではなく、自分と向き合ったような、若しくはそんな精神論、理屈ではなく、現実の日の沈んだ後の世界の闇を描いたような黒。なんというか、すがすがしさすら感じるような黒です。この黒は当然、その後夜明けを迎えます。このアルバムも後半に入ると徐々に夜が明けていきます。夏の夜、わずかに夜が明けて、世界が光に包まれる直前のような瞬間でこのアルバムは終わっているように感じました。でもそこまでで留めることで、何よりもその日の強さを、希望を明確に非常に高い精度・純度で描けていると思います。

 

きっと、これはブンブンのストーリーを描いたアルバムなのではないでしょうか。

夜は明けるんだ、と。僕らの未来はしっかりと希望で満ちているんだ、と。

リアリストが描いた、世界一ロマンチックなアルバムだと思います。

 

ので、このアルバム、夜に車を走らせながら聞くのも合いますし、朝方、夜明け前も似合います。そして、日中、雨も晴れも合うんです。そして、空気が細胞レベルで研ぎ澄まされるような感覚を感じられます。

昨日改めてイチから聞き直して、なんだろうか、キャンプみたいなアルバムだな、と思いました。すんません、わかりづらい例えで。ていうか、ブンブンの音に対し、「キャンプて!」と、自分でも思うんですが、本当に思ったもので…。

キャンプって、普段感じられない空気の「色」「匂い」「音」みたいなものが感じられるのが素敵で、特に夜が明ける瞬間の「色」と「霧」が凄く好きなんです。夜から朝になるキャンプみたいなアルバㇺ、と思って、はみたんですが、どうもこれだと確かにのほほんとしすぎてるな、とも思いました。で、「あ!」と気づいたのは「これライジングサン(ロックフェスティバルインエゾ)じゃん」。ちょっと砂の荒さや世界の複雑さ、多様な人たちが作る「夜明け」のアルバム。

このアルバム、ライジングサン!!!

という、かなり勝手な締め方で終えさせて頂きます…。

これからも鳴り続ける川島さん・中野さんのブンブンサテライツの音楽と、新たに響くであろう中野さんのworksに期待を込めて!!!!楽しみです!!

 

SHINE LIKE A BILLION SUNS(初回生産限定盤)

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