ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

崎山蒼志 「旅の中で」

YouTubeかなんかで、彼が出たアベマの映像を見た時、多くの人と同じように「おぉぉおおおお!!!!!」と思った。すげぇ。とんでもないのがでてきた。中学生というワードに過剰に興奮する。

ただ、同時に「凄く完成されてるな」と思った。

 

もちろん、完成されているのは良いことなのだけど、普通若いと呼ぶにも若すぎるような才能を目の当たりにすると、粗削りさに興奮するものだ。少なくとも僕は。

でも、彼は既に完成しているように感じた。圧倒的なギターテクニック、独特の節回しの歌い方。歌詞はさすがに早熟感があるというか、若い文学少年のような匂いがするけど、凄いのと同時に、ここから一体彼はどこへ行くんだろうという気持ちになった。

 

そして、満を持してなのか、信じられないような早さで、なのかはよくわからないけど、一般的にはおそらく信じられないような早さで配信でデビューした。

僕も非常に楽しみに聞いたのだけども

 

「??」

「??」

 

いや、もちろん良いのだけど、僕にはどう聞いてもアベマのときの方が良く感じられた。不必要にこぎれいにまとまっているというか、何かが足りない。あの独特の歌い方も結果こうなってるのではなく、こういう歌い方をしなけれればならない、というような気すらしてくる。

 

「??」なまま、彼のインダビュー記事を読んで、ちょっとわかった気がした。

 

きっと彼はもう「五月雨」の先にいっているんだろうと思う。完成されてる気がしたのもきっとこれが理由で、実際彼の五月雨はもう完成されてる。中一の時につくったこの曲は彼にとってベテラン歌手が不要に変な節回しでヒット曲を歌うようなもので、既にちょっと飽きているというか、そこのレベルに彼はいないんだろう。

 

今の彼は足し算よりも引き算で楽曲を作っているようで、曲作りが「そぎ落とす」作業になっているんだろうと思う。そうなると、足し算の極みのような五月雨では、きっと彼の今の衝動は表現しきれない。

 

あとは、この若さにしてしっかりつみあがっている才能をどのようにプロデュースしていくか。彼自身プロデュースの才もあるのだろうけど、なんせまだまだ若い。彼にものすごい刺激を与えてくれるようなプロデューサーとの化学反応のほうが絶対に彼もファンも興奮する筈。

 

そして、この「旅の中で」

この曲が五月雨の後にできたのか前からあったのかはわからないけど、複雑なギターは変わらずも、音に非常にスキマができている。でも、曲展開はぐっと複雑になっているし、リズムの取り方も難しい。

おそらくこれも、試行錯誤の中の一曲なんだと思う。彼は彼なりに10代の真ん中でこんがらがっているのかもしれない。

でも、本当に破格の才能だし、この先どんな変化が訪れるのか、凄く凄く楽しみ。

この曲はアルバムのリード曲で、アルバムのトレイラーも公開されている。

 

www.youtube.com

うん。やっぱり試行錯誤してる。こんがらがってる。

いいぞ、いいぞ若者よ。

悩め、そしてこんがらがれ!!!

 

個人的には静かめで、フォーキーな感じの曲のほうが彼の凄みが出ているような気がする。

 

あと、これは意見の分かれるところかもしれないけど、僕はギター弾き語りに拘るのはこの1stだけで良いと思う。スリーピースでもいいし、打ち込みが全面に出ている感じでもいいから、バンド編成で彼の曲が聞きたい。もともとバンド活動もしていたみたいだし。そのほうが引き算の美学が際立つと思う。彼の好きな向井氏率いるザゼンボーイズとかまさにそうだろうし。向井さんもソロもいいけど、やっぱりザゼンナンバーガールでこそ個性が際立ってると思う。

そして、その先ではもっと彼の音楽遍歴が自分の音楽性に反映されてきたほうがきっと面白い。だって、ガゼットが最初の音楽体験の人の音楽ってもっと楽しそうだもの。

 

 

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