ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

Maison book girl 「yume」

決して嫌いなわけではなく、新しい音源が出る都度聞いてはいたのですが、彼女らの音楽をイメージすると「不安」「不条理」「分断」「悪夢」「白昼夢」といったような印象があり、メロディが気に入った一部の楽曲以外はそこまで聞き込んではいませんでした。

が、

今作、「yume」は 間違いなく最高傑作です。

とりあえず聞いてみようという気持ちのある方は、前情報を可能な限り入れずに1曲目から順番に聞くことをお勧めします。

 

 

 

相変わらず、聞いた後の印象は心地の良いものではないのですが、今作は今までになく「何度も聞きたく」なります。

まず、今までの楽曲は僕の中ではどうしてもサクライケンタ氏の手のひらの中で踊らされている、というか、大人の意図の中でこういう音楽をやらされているような印象がどこかしらありました。なんせ非常に個性的な不可思議な音楽ですし、突如として挿入されるノイズはホラー映画のよう(いや、見たことないですけど。イメージねイメージ)ですらあります。しかし、今作。おそらく彼女らのボーカルのスキルがガッツリ上がったのだろうと思われます。詞の理解度も増したのかもしれません。とにかく、非常に声が能動的にその世界で動き回っているんです。ゆえに、とても良い意味でわかりやすくなりました。音楽性としては変わらず難しい面もあると思うのですが、意図が今までになく伝わりやすくなったと思います。

 

そして、単純に楽曲のメロディが多様になり、うた、としてとても聞きやすくなりました。それは難解さを放棄したわけでは無く、その曲構造のままに、メロディがその曲の描くフォルムの100%を極めて忠実に届けることができるようになったのだろうと思います。

 

で、最後にこのアルバムの構成です。多くのインタールードを挟む計21曲。

そのすべてがMaison book girlが描く「yume」というものを様々な角度から描き出すことで、その存在自体が立体的になり、夢というものの、あいまいさやうすら恐ろしさ、モヤの先に見える光のようなもの、まで、それぞれがとらえる「yume」を聞いている僕らに提示してきます。そのアルバムの構成がとてもとても秀逸です。

 

もともとが白昼夢のようなグループが描く「夢」「yume」という世界。

 

僕自身数回のリピートでは全くとらえきれていないと思うのですが、それでも書きたくなりブログに書きました。今後聞き続けていくともっともっと様々な発見がありそうな、とても魅力的な1枚です。

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これが、アルバムのリード曲「狭い物語」です。

このPVもとてもとても良い。是非最後までご覧くださいませ…。

 

個人的には、曲単位では、1曲でこのアルバムを象徴するような「夢」と言う曲がとても大好きです。アップテンポな中にノイズによる寸断がとてもスリリングな「ボーイミーツガール」も凄く好き。

でも、でも!!とにかく!!できれば、1曲目から順に聞いてみてください。冗談抜きで「yume」という世界に引き込まれると思います。そして、戻ってきた世界は、もしかしたら、どこか何かが今までとは決定的に変わった世界かもしれません。

 

 

なーんて、思ってしまいそうになる。「yume」の世界。ぜひ。