ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

King Gnu 「Sympa」

年末に今年楽しみな一枚に上げさせてもらっていたのですが、思っていた以上に凄いことになってますねヌーさん。全くもってどうでもよいですが、ヌーを変換しようとすると、頼んでもいないのに最初にヌ~に変換されるのは何なのでしょうか。

 

TokyoHot100で、星野源の無敵状態を打ち破ったのがこのアルバムのリードトラック「Slumberland」で、セールスでも相当なことになっているようです。凄いですなヌー様。ヌー様は、ちょっと前に様々なアーティストのことをツイッター等で調べてたら、いろーんなアーティストのファンが「次はヌーやで」「ヌーやばいやで(日本語難)」と言っていて、「ヌー!!!!!!」と思って手を伸ばしましたワタクシです。

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バンドとしてはフルアルバムでは2作目、メジャーとしてはファーストとなるわけですが、1stのいけすかない、というか、ひたすらに「俺様にひれ伏しな感」と「繊細さ」が同居しているような印象からは、かなり変わったように個人的には思いました。

 

単純に「メジャー感が増した」「大人になった」というものではなく(そのどちらもあるとは思います)、そこに見えるストーリーの解像度が増した、というか、とても音も詞も、伝わりやすさが増し、有り体な表現でアレですが「一本の映画を見た」ような作品です。更にソレな表現をすると、単館上映の古い映画、悲しいバッドエンドなんだけど、どこかしら滑稽で笑ってしまう、妙に心にずっと残る映画のようなトーンのアルバムだと思います。前半はガツーン!!バチコバーン!!!というイキオイがあり、バンドのノリノリっぷりとオラオラ感が出ているんですが、5曲目のインタールード以降、グッと世界観に引き込まれていきます。

 

特に8曲目「It's a small world」から10曲目「PrayerX」の流れはとてもとても素敵です。このアルバムのリードは先ほど書きましたがSlumberlandなんですが、1曲で表すならこの「It's a small world」でしょう(この曲については以前にもブログに書かせて頂いているのでもしよければ是非…)。そして、この曲に続くことでシングル感の強い一曲だったPrayerXが、とても物語性を強く感じるものとなっている。曲のテンポが落ちてバラード的になっているような気すらします。

 

そのあと、再び派手な印象の「Bedtown」(その曲がこの曲名なのがまたイカしてますな)を経て、実質最終局「The hole」へ。

 

すさまじく美しい流れを持つバラード曲。

「あなた」を「包み込むように」「好き勝手放題の世界から遠ざけるように」「あなたの正体を あなたの存在を そっと庇うように」”僕が傷口になるよ”という歌詞が非常に強く心に打ち響く一曲。ストリングスとピアノに彩られた曲は、ピアノの美しくも切なく寂しい音色で(全くバンドサウンドではなく)このアルバムを終わりへ導きます。僕はこの曲が一番衝撃を受けました。凄いよ。だって「傷口になる」んだよ?!まいりました。好きです。

 

全13曲。うち4曲がインストというかインタールード的なものなのですが、40分を切るトータルタイムも、そのインタールードが最初と最後に入っている構造も、やめ時を見失う中毒性があります。

荒々しく強い常田さんの声と中性的で繊細な井口さんの声の対比も本当に良い。とても二人とも雰囲気のあるボーカリストだと思うのですが、歌詞が聞き取りやすいのが凄く好きです。

 

今作はストーリー性が増したことで、前作よりも個々が裸になったのか、服を着こんだのかは、どちらともとれる気がします。どちらにせよ、ここで見える面は1面に過ぎず、まだまだカードを持っている感じがアリアリと伝わってきます。出たばかりなのですが、次の一手が気になる!!!と思ったら、ドラマの主題歌タイアップで既に次の一手が打たれてるんですね。凄すぎる。

 

 

Sympa(初回生産限定盤)(DVD付)(特典なし)

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