ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

ももいろクローバーZ「MOMOIRO CLOVER Z」

ももクロちゃん5枚目のオリジナルアルバム。

グループ名に「Z」を冠したのが2011年なので、約8年で5枚というのは(しかも3rdと4thは同時発売なので、実質4枚)、ピーク期が短いとされることの多い女性アイドルとしては異例の少なさだと思います。これは、スタッフの方々が、大切に大切にグループを育てた故だと思います。ちなみに僕は1stの「バトルアンドロマンス」をツタヤでかりて「おぉ!」と思い、極楽門のDVDを見てガッツリはまりました!(知らんがな)。

 

初見、奇抜でカラフルな衣装や、アクロバチックなダンスが目を引いた彼女らは、この1stで、今でいうところの「楽曲派」や普段アイドルを聞かない層の一部に「ていうか、曲めっちゃ楽しいし、良い曲ばっかじゃん!」と注目され、人気が広がっていく非常に大きなきっかけになりました。CDショップ大賞を受賞したというのも、このアルバムを象徴する感がありますね。

 

で、2nd。これ、リアルタイムで見てた人は、本当に衝撃でしたわな。アイドルなのに顔がトゲしかない(形態もある)っていう。サウンドも、TeddyRoidのEDM的、ロックオペラ的楽曲に代表されるトガったものに変化。そしてヒャダイン氏キレ気味にツイッターで愚痴る(和解済み)という…。でも、いま改めて聞くとサラバやら灰とダイヤモンドやら、ポップだし良い曲も多い。そう考えると、あのヴィジュアルイメージとネオスターゲート・バースオーバースあたりによって作られた印象の気もします。

 

そして、そのサウンド以上に、描く詞世界が大きく変化しました。この2ndの「5TH DIMENSION」5次元というタイトルや、その先のシングル「GOUNN」での仏教的世界観。輪廻転生やパラレルワールド、次元上昇等スピリチュアル的なワードが増え、完全に唯一無二の世界観が構築されました。それの大きな大きな一つの到達点が、2枚同時リリースの3rdと4th。「アマランサス」と「白金の夜明け」だったと思います。

 

生命の誕生から終焉を描く「アマランサス」、そのパラレルワールド、別次元を描いた「白金の夜明け」は圧倒的に重厚な世界観をもちながらも、彼女らの明るさや表現力により、大傑作アルバムとなりました。清竜人氏・堂本剛氏ら、新たな作家陣も加わった楽曲群は本当に素晴らしかったし、そのコンセプトにそのままでは合わなそうなシングル群も見事にアルバムを彩っていたと思います。その世界観を再現したツアーも、よりエンターテイメント性を増し、凄く良かった(いや、ブルーレイで見ただけですけどね…)です。

 

と、ここまで私感を勝手気ままにツラツラ書きましたが、ここからは一層自分勝手な意見になりますので、ファンの戯言として読んで頂けると…。

 

個人的に、ここから先のシングルが、僕はハマりませんでした。青春賦は映画も含め、とても良かったと思います。でもあれは、本流ではなくあくまでも映画の曲だと思うので。

 

とにかく、僕は「ザ・ゴールデンヒストリー」が「うーん…」という感じでした。完全に完成された4thまでの世界観のその先を描くことを避けているように見えたんです。メロディもそこまでピンとこなかったですし。そして、その後の「BLAST!」から最新作「Sweet Wanderer」に至るまで、その「うーん」感が続きまして。いや、曲単体については「天国のでたらめ」とか素晴らしかったと思うんです。でも、今のももクロちゃんが歌うものがなんなのかがいまいちわからなかったんです。あと、彼女らが大人になっていくに従って、やたらおめでたくカラフルな衣装にも個人的に(これは本当に個人的思います)違和感を感じておりまして、このままだと一部のファン(モノノフ)のみがももクロちゃんを聞く、もったいない状況になってしまうのではないか…と。メンバーはずーっと本当にすんばらしいと思うんですよ!!テレビやネットで見る彼女達はずっと仲良しで、強い向上心をもちながらも弱さを否定しなくて。いつ見ても本当に泣きそうになります。だからこそ、最近の楽曲群が彼女らにあっているのかがわからなかったし、過去の曲も今のメンバーにフィットしているようには正直感じませんでした。

 

で、今作。セルフタイトルを冠した「MOMOIRO CLOVER Z」です。

 

本当に素晴らしいアルバムでした。最高です。もう一度書きます。最高です!!

 

ここ最近のシングル群も、このアルバムで一気に輝きました(、というか、僕が最近の曲の良さに気づいていなかった、ということなんですが…)。間違いない最高傑作だと思います。

 

彼女らが今描きたい世界は、ファンタジーではなく、徹底して今の自分たちの・僕たち私たちの日常であり、それをそっと支えていきたいんだ、そのためのシングルだったんだ、ということをこのアルバムで感じました。

 

このアルバムは、「ロードショー」で始まり「The Show」で終わります。色とりどりな楽曲群も含め、一つの映画のような、ショーを見るような一枚。そして、主役は彼女達と「自分(リスナー)」です。その詞が描くものは、今まで以上に彼女ら自身を描いていて、且つ、そこには「私たち」がいます。

 

ショーは華々しく「ジュリアナトーキョー!!!」なサウンドで幕をあけます。かなりびっくりしました。歌詞もショーの始まりを告げるもの。でも、最後の「The Show」はすごく身近で温かいアレンジで

 

人生はまるで 迷路みたい

愛はね 謎々みたい

がんばっても もう一人じゃムリ

どうしたらいい?

くじけそうになるけれど

本当は怖いけど

平気なフリで 考えすぎず

人生というショー

楽しみましょう

 

と歌います。今思えば、Re:StoryもSweet Wondererもただただひたすらに身近な関係性を温かく、優しく歌っていたんだと思います。

 

Sweet Wondererの歌詞

 

ありのまま生きていいんだよ どこまでも君のままで

 

というのが、今の彼女らの真ん中なのではないでしょうか。

泣けます。素敵すぎる…。この歌詞元チャットモンチーのクミコンなんですね。クリスマスシングル以来だと思うんですが、凄く良い歌詞です。

 

僕は、最近の楽曲の中核を担う「invisible manners」があまり好きではなかった(好きな曲ももちろんあるんですが)のですが、それが、「今のももクロちゃん」がわかる(気に自分がなる)と、一気にすごくすごく良さがわかりました(単純)。The Diamond Fourとか最高です。すごく格好良い。なんというか、別の世界に行かなくても、今一歩歩き出したところからその世界を作り出して変えていける力が彼らの曲にはあると思います。

 

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今作のヴィジュアルイメージや衣装も素敵です。凄く今の彼女達に合っていて、とても格好良いです。

 

今作は、サウンドも一気にブラッシュアップされました。トラックがゴージャスなんですけど、無駄な音が一気にそぎ落とされて、しっかりと今の時代のトラックになっています。同時に今の彼女らに似合う衣服(のような楽曲)になっています。

 

曲順も見事。個人的にはボーナストラックの令和ニッポン万歳!は蛇足な気もしていたのですが、レビューを見ると非常に評価は高いですし、今までのももクロも決して置いていかない彼女らの優しさのような気もします。それに、日本の都道府県特産物をピックアップし、東北がんばれ!に帰結していた1stのバージョンと違い、今作は今までの彼女らの歩みを描いたもので、最後は「みんな」に帰結します。それをセルフタイトルのこのアルバムに持ってきたというのは、ある種4人として第2のデビューアルバムとして、素敵だと思います。

4人である、というのは、すごく4者4様でありながら、声の幅が似ていて、とてもまとまりがある反面、やはり有安さんのパワーと、良い意味での「違和感」が恋しくもあります。でも、作品に通じる「身近さ」はこのDiamondFourだからこそ生まれるというのもあるのだろうと思います。

 

違うトビラとしてCHAIやGLIM SPANKYの楽曲は、次へとつながっていく印象がありますし(CHAIのはちょっとCHAIに寄せすぎている気もしますが(笑))、それらも含めて、「今のももいろクローバーZ」はこういうグループである、という名刺になる1枚。本当最高の1枚です。

 

これからの彼女達がどこへと向かっていくのか。すごく楽しみですし、ファンも含め、皆幸せになればいいなぁ、と思ったりします。

今作を僕はサブスク解禁を待って聞いたのですが、本当に素晴らしかったので、改めてCDで購入したい、と思います。