小沢健二 「彗星」
最近要注目な曲がいっぱいあって、スピッツも定額ストリーミング解禁したし、髭男のアルバムも凄い良いし、時雨tkのソロも良いし、原田珠々華さんのsixteenが本当最高すぎて!!!とか様々に思っていて、はてさて、何を書こうかしら、とか思っていたら、マックス最高&衝撃の1曲が解禁されましたであんさん!!!
小沢健二、出る出るでーる的な話で出ないわねやっぱり出ないわね、と思っていたらついに!!!アルバムリリース決定ドス!!
もうね、ナナメ上とかいう次元じゃないっすよね。
再始動後のオザケンの完全に覚醒して、解放されて、且つ、ものすごく地に足についた活動を見ていると、「宇宙」というワードは当然これは来るでしょうそうでしょうワードなのですが、「So kakkoii」…。
無理―。予想とか当然ムリ―!!!
凄いな。マジで凄い。
Soは「そう!(so そのままとも言う)」なのか「創」なのかなんなのか。僕ごときにはわかりませんが、きっとこのアルバムを聞いたら、キチンと僕にもわかる言葉で届けてくれるであろう絶対的安心感が今のオザケンにはあります。
彼のアルバムの曲数を考えると、今までリリースされたシングルが入るのであれば、残りの曲数はかなり限られるわけで、そうなると、ある程度種明かしがされた状態であるはずなのに全く分からない。楽しみを超えて、聞いてしまうのが恐ろしくすらありますな。
で、そのアルバムのリード曲としてこの度配信解禁されたのが、上記の「彗星」です。
上にインスタの歌詞を貼らせて頂きましたが、明らかに今までの再始動後のオザケン、さらに言えば、その前の様々な楽曲の集大成のような、とんでもない情報量と、熱量を持ちながらも、全く複雑にならず、すこぶる軽快な楽曲になっているのが本当に素晴らしいです。
様々なライターの方が、興奮と共にこの楽曲について書いていたので、思いっきり参考にさせて頂きますが、この詞に出てくる1995年の冬は阪神淡路大震災、そして地下鉄サリン事件と、世が大きく混沌の中に飲まれていた時代であり、小沢氏としては、「強い気持ち、強い愛」がリリースされた年のようです。
そう考えると、敢えてこの曲の別バージョンが再始動後に公開されたのも、はっきりと意図があるものであり、明確に全ての活動が地続きであることを示していると思います。
その混沌とした1995年と比べて今現在の2019年はどうなのか。多くの人は、混沌の度合いはより増しているように感じていると思います。ただ、この曲は「そして時は2020」と始まっている。今年から翌年を見ている形ではあるけれども、来るべき2020を時間軸の中心に据えている。一部の意見として、2020、つまり東京オリンピックの年は、日本にとって決して良いターニングポイントではない、という声を聞きます。正直僕も、全てにおいてではないですが、そう思っている面が多くあります。
でも、世の様々な現実を、実際に見て、歩いて、感じてきたオザケンが、この時代に、そして、自らの子供が生きていくこの先の未来に対して描いた言葉は
だけど幻想はいつも崩れる
真実はだんだんと勝利する
時間ちょっとかかってもね
と歌い
再生する森 満ちる月
続いてゆく街の
空を横切る 彗星のように
と歌う。
それも強く確信めいた声で。
個人的にはものすごくこの曲でハッとしました。絶望を決めつけていたのは自分なんじゃないかと。どんな暗闇もそこを射抜く何かがあるんじゃないか??そもそも暗闇とは何が生み出しているのか??なんて考えたり。
この歌詞が、無根拠な希望ではないのは間違いないです。彼の目には、しっかりとこの歌詞のイメージが、ファンタジーではなく、この世界の未来(の一つ)として映っているのだろうと思います。
この曲を聞くと、彼の全ての曲が、言葉が、円を描いて一つの輪の中にあるように見える。そしてそれそのものがこの「世界」のように見える。4分程のポップソングが世界を塗り替えるように感じる。でもそれは、曲が塗り替えてくれるのではなく、塗り替えるのはその曲に力を貰った僕ら自身なのだろうとも思うんです。
そして、この曲で最高なのは、大げさな何か、世界規模の何かではなく、それはすぐ身近にあるものである、ということ。
今ここにある
この暮らしこそが 宇宙だよと
今も僕は思うよ
なんて奇跡なんだと
最高のサビのメロディと歌詞。
自らの手におえない何かではなく、そのすぐ近くにある全てこそが「宇宙」であるということ。そこがまさに0を1に変える場であるということ。
そして、この歌詞は、再び巡り来るサビで、最後の行だけが
なんて素敵なんだろう!と
という歌詞となります。
それは奇跡のようであり、何とも素敵なものであるのだ、と。
前にも最近のオザケンの歌は生命そのものだ、と感じたんですが、今回こそは、まさにそうだと思いました。
生まれて成長して、また新たな命と出会うその命そのものの美しさを、この詞というよりも、歌そのもの、曲の端々から感じました。歌全体がとても瑞々しくて、雨粒が木の葉にはねて落ちる音のような、美しい雨音のような。
それが、この現実で、というよりも目の前で起きているという事実をこの曲はとても素敵に届けてくれます。
はてさて、11月にはアルバムです!
先ほど、聞くのが恐ろしいと書きましたが、でもでも!早く聞きたい!!So kakkoii宇宙がいかなるものなのかを早く感じたい!!!!
今この2019年にこんな素敵な曲を届けてくれて本当にありがとうオザケン!!!