ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

蒼山幸子 「まぼろし」

まず、この歌声、このメロディがこんなに早く聞けるとは思っていなかったので、単純にとても嬉しいです。そして、見事なまでのグッドメロディと彼女にしか描けない歌詞。

ので、単純に蒼山さんというソロシンガーソングライターの素晴らしい新作として、全世界の人に響き渡ってほしい! とても素敵な一枚だと思います。

 

彼女が居た「ねごと」というバンドは、メンバーそれぞれがしっかりとしたスキルを持って、音楽的知識も非常に豊かな方々が、とても誠実に日本のポップミュージック、というかJ-POPと向き合って、時に寄り添い、時に突き放しながら最高の化学変化を成し遂げ続けてきたグループだったと思うので、その時代性も普遍性も持った、実力もあり、最大の理解者でもあったであろうバンドから離れた彼女のソロワークは一体どのようになるのか、ねごと後期はブンブンサテライツの中野さんをプロデューサーに迎えるなど、テクノサウンドに傾倒し、ライブでも、そもそもキーボードの蒼山さんがセンターにいるのに、ベース・ギターの横にはキーボードを配し、彼女たちなりのダンスミュージックを鳴らしていたのが、どのような音を聞かせてくれるのか。

という、とてもワクワクドキドキな中で、先行配信曲の「まぼろし」「バニラ」「鳥と糸」を聞いて、正直「うんぅ???」と、結構なびっくりをしたんです。楽曲として素晴らしいのは今作ep全曲素晴らしいので前提条件として書かせて頂きますが、個人的にはちょっと戸惑ったんです。なんというか、ガッツリ別路線に行くのでも無く、ねごとと地続きでもない。確かに思ったよりねごとっぽいし、本当に最初の最初の印象は「来た!!これって、「VISION」の先の先じゃん!!」とか無邪気に思ったんですが、何度も聞くと、というか、1回目に聞いている途中から「いや、違うな?!」という気持ちになって、「うんぅ???」に至ったわけです。いや、なにが「わけです」だ、って感じですよね。おまえ何が、というね。すみませんね。

 

やっぱり明らかに違うんですよ。演奏が。

 

ハイ、改めておまえはバカか、という話ですね。そりゃちがいますわな。

 

でも、彼女の描く世界、書く楽曲が、思った以上にねごとの世界の気が最初したんです。ので、変な例えですが、「あ、ようやく自分の部屋に戻ってきた!」と思ったら「あれ!?壁の色ってあんなに黄色かったっけ?クッションカバー夏用から変えてなかったっけ?」「ていうか、ここ、僕の家だっけ???」みたいな、似て非なるパラレルワールド感がとてもあったんです。そして、どうしてかわからないんですけど、突然GO!GO!7188のユウさんのソロプロジェクト、チリヌルヲワカのファーストを思い出しました。今思えば、それは楽曲は近いのにリズムの構造が変わっているからなんだろうと思います。チリヌルヲワカのファーストが僕はとても好きで、そのアルバムを聞いてると、なぜか、すごく人らしいのに、人として必ず存在する何かが欠落してる気がしていたんです。漠然というと「熱」なんですが。演奏の熱とかじゃなくて、体温が無い気がして。何故なのかはわからないですが、それに近い感覚が、この蒼山さんのソロからも感じました。今まで座っていたはずの椅子になぜかそこだけ人がいない、ような。すこぶる自己満足で分かりづらい表現なんですけど、きっとそれは音楽に詳しい人だと「あー、それね、アンドボスティブがドンバスティックだからだよ(すべて造語)」と教えてくれる、僕が言葉を持たないだけのものだと思いますが、とにかく音が根本的に違うんです。

 

僕にも明らかにわかるのは、ベースがとても強くて、前に出てきているのは明確な変化かと。それによって、ちょっと「今」っぽくなっている気もしますが、でもそうじゃない、と思います。とにかく、このアルバムは、先行曲以外も含め、今彼女がやりたいと思っていることがつまっている1枚であるのと同時に、多彩な音たちはすべて彼女の中にあるものだと思います。最初の曲こそピアノのみですが、その先は彩豊なバンドサウンドで、一つのジャンルに拘る印象は無いのですが、それと同時にとてもパーソナルな感じがする。とても丁寧に掃除された彼女の部屋を一つ一つ見せてもらっているような印象。だから、きっと次は「その先」がみられる気がします。扉を開けて、更に外の世界を見せてくれるのか、逆に、その家に地下室があって、予想外の世界が広がっているのか。

 

あと、声がものすごく丁寧に聞こえます。声が発せられて途切れる瞬間まで、すべてのタイミング、ディテールに意味があって、メッセージがある。凄く美しくて、声に溺れるような、素敵な歌声です。

 

ミニアルバムというサイズ感も「家」感を出してるのかもしれないです。とてもちょうどよいおさまりの良さがあります。

 

最後に!!「バニラ」のMVがとても素晴らしいので是非!!

 

www.youtube.com

 

今作のCDは当初ライブ会場限定でリリースする予定だったということなので、これはプレデビューというか、お引越しの挨拶の手ぬぐいのようなもの(簡易なもの、という意味ではまっっったくありませんので!)なのかもしれないです。なので、扉の先がとても楽しみです!

 

 

 

バニラ

バニラ

  • 発売日: 2019/11/09
  • メディア: MP3 ダウンロード
 

 ※ なんだかアルバム単位で貼れないので、リード曲はっときまーす!!