maison book girl 「海と宇宙の子供たち」
僭越ながら、勝手に昨年ベストに選ばせて貰った1枚。
というわけで、当然ながらめっちゃ聞いている。聞きまくっている。
うん、良い。聞きやすい。
もちろん、必殺の変拍子曲「悲しみの子供たち」のような曲もある。
あ、お恥ずかしながらワタクシ変拍子変拍子言っているがイマイチわかっていない。ようはウン分のハン拍子がゴン分のヴァン拍子に変わる、曲の中でテンポやら展開がガンガン変わるってことなんだろうけど、じゃあヒャダイン氏の曲は変拍子なのかといえば、きっと拍子は変わってないんだろう。わかるようなわからないようなだ。
まぁ、わかるようなわからないようなだ、とかアホみたいに言って放置するから理解に至らない。そんな僕でもかけるぜブログ。ありがとうブログ。
とにかく、この「悲しみの子供たち」は変拍子曲だ。確かにこれはわかりやすい、気がする。
でも、とにかく聞きやすい曲が多い。ポップだし、ドラマチックだ。そもそもmaison book girl(以下ブクガ)はドラマチックなんだけど、今作は一段とわかりやすいし、歌謡曲的ですらある。
完成度に関しては、前作「yume」は超絶グレート最高峰に完成されていたし、ブクガという世界観をとてもはっきりと、ぶれない形でプレゼンテーションするすんばらしい一枚だったと思う。それを超えているかと言われると、「超えていない」。というよりも「そこじゃない」。前作が本の家の少女たちが体験する「異世界、病室、サナトリウム」の1枚だったとすると、今作は夜が明け、新たな登場人物(人物?)が増え・・・そして、フィールドが「すぐ、そこ」になった印象がとても強い。
最初に書いたように、今作は「聞きやすい」。だから、僕も仕事に行くとき帰るとき、寝るときなど、様々な場面で聞いている。そここそが今作のヤバさだ。異世界ではなく、夢・白昼夢ですらない。完全な「今」の目に見える全てをこのアルバムは浸食してくる。ハッキングしてるのかもしれない。夢という余白を与えてくれない。この現実こそが、疑うべき対象のような気がしてくる。
エグい、エグいぜブクガ。
でも、amazon primeで配信されていたドキュメンタリーを見ると、彼女たちは普通の女の子だし、サクライケンタ氏は、ただの君ラジのあずあず好きのヲタだ(すみません、ドキュメンタリーにはその要素はありません)。楽曲も死海文書を解読して作っているわけではない。ただ、そのカジュアルな感じにこそ、さらなるヤバさを感じる。ここまでくると勝手に感じているような気がしてくるが、感じる。
改めてこのアルバムを聞くと、個人的にはエンドロールでかかってそうな曲がとても多い。アルバムなら、最終曲に入ってそうな曲ばかり、と言ってもよい(もちろん全部じゃないけど)。でも、終わらせてくれない。切なさ・寂しさ・少しの暖かさ、みたいなものの後に何か変な余韻がある。ひっかかる。これが異世界への扉か。
繰り返すが、考えすぎのカタマリのような気もする。でも考える。聞く。
うん、良いアルバムだ。最高だ。でも、やっぱりここが…、何か違和感が…、
・・・。えー、というわけで僕は泥沼みたいな聞き方をしてますが、本当にポップで聞きやすいし、サウンドはめっちゃ格好良い、ブクガ入門編としてこれ以上すばらしいものはないと思うので、老若男女、フンニャラボーイからウンニャラガールまで、是非聞いていただきたいアルバムどす。
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