ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

安藤裕子 「Barometz」

安直に使ってはいけないワードとは思うが、どうしても書いてしまうワードランキング第一位。ハイ!書きます!!

最高傑作です!!!!!

 

ハイ、キター!!!

安直!!!

 

でも思うのだからしょうがない。ただ、正直明らかにあからさまに思うさまに「ドスコイ!最高傑作ドス!!」という感じではない。覆った布をそっと取って取って取って取って、最後に「(ボソッ)最高傑作ドス…」という感じ。

これも安直に使ってはいけないフレーズ第二位(当社調べ)だけども、ハイ!スルメ盤です!!!!

 

何故にどっちも安直に使ってはいけないかと言うと、要はどっちも自分がそう思っただけなのを勝手に印象付けるからだ。そして使いやすいから簡単に使ってしまう。でも、今作は僕にとってはまさにスルメ。

 

まず、ガッツリ私的印象だが、正直前作「ITALAN」は安藤氏の作品史上個人的には最も聞きこまなかったアルバムだった。ちなみにそれについで聞きこまなかったのはその前作「頂き物」だ。ただ、頂き物はちょっと毛色が違う作品だけれども、それ以外に関しては、本当に最高傑作を更新し続けてきた、というくらい全ての作品のクオリティが総じて高いアーティストだと思うので、単純に僕に「合わない」ということなんだろうとは思うのだけど、とにかく近作を僕はあまり聞いていなかった。

 

だから、このアルバムも、タイトルやジャケットの世界観に、かなりワクワクしつつも、ちょっと興奮しきれない部分もあった、し、実際に先行して公開されていた楽曲たちもそこまでピンとは来ていなかった。リード曲の「一日の終わりに」を聞いた時も正直ちょっと期待しすぎたかな…と思っていた。

が、

 

齊藤工監督、宮沢氷魚さん、門脇麦さん主演というトンデモナイMVを見て、印象が大きく変わった。

 

www.youtube.com

 

正直、失礼ながら、このMVの意図するところは僕の中ではそこまで伝わらなかったし(完全に僕がぼんやりちゃんだからです!)、何度も見返したか、といわれるとそこまででもないのだけれども、これを見たことで、楽曲の世界がババーンと扉を開いた。本当に扉が開いて見えた。音の世界が脳内に入ってくるのがわかるくらい。

 

そこは、安藤さんが今まで描いてきた世界であり、より美しく、且つ二度と戻れなそうな不思議な魅力のある森に迷い込んだようだった。その森の花が、緑が、川のながれが、全て一つ一つの曲であり、それを味わうと、より深く、深く様々な色がまじりあった世界に潜っていくようだった。

 

何を書いてんだこの浸り中年!と言って頂いていっこうにかまわない。が、本当にそんな世界観がこのMVを見て、その後でアルバムを聞き始めたことで、驚くほどの解像度で脳内に映し出された、気がした。気がした!!

 

ぼくにとっては、このMVがこのアルバムのカギだったように思う。間違いなくこれをきっかけに扉が開かれて、その先の世界を恐れつつも知りたくなった。

 

きっとこのアルバムは、一聴して聞きやすい耳馴染みの良いアルバムではないのかもしれないけど、メロディはとても美しく、魅力的。音も独特の彼女らしい世界観でありながら、しっかりと「今」の基準の音に磨き上げられている。人それぞれ、この世界に入る鍵は違うのかもしれないけど、過去作一、多くの人が魅了される可能性がある作品だと思う。是非、世界中の人がこの扉をあけて、深く深く潜ってほしい、と感じた作品だった。

 

 

Barometz

Barometz

  • アーティスト:安藤裕子
  • 発売日: 2020/08/26
  • メディア: CD