雨のパレード 「Reason of Black Color [album]」
前回のブログで、「LILILIMIT」と「雨のパレード」を「似ている」と、極めて雑に感想を書きまして、実際一時期どっちがどっちかわからなくなるほどに、僕の耳はアレがアレしているわけなのですが、「じゃあ、改めて聞いてみまSHOW!」というわけで、最新作を聞き比べてみました!
というわけで、今回は
雨のパレード「Reason of Black Color」です!
まず、
聞いての第一の感想
「あれ、似てない・・・よね??あれ???」
以上。
似てない。びっくりするくらい似ていない。ではなぜにそのような感想を抱いたのか。
おそらく、もっと初期作のころは、互いに似たような枠にいたのは事実だったとは思うのですが、現在は相当に距離が生まれた・・・のではないでしょうか????
個人的には、自分たちの音楽性の先へ先へ突き詰めていったのが、LILILIMITで、
先へ進む中で多くの先人達の豊かな音楽群に影響を受け、幅を広げていったのが雨のパレード、という感じでしょうか。
でも、これ表現がとても難しくって、幅を広げた、と書いたんですが、今までの既存のフォーマットに乗っかっているのは「雨のパレード」だと思うんですよね。
誤解を恐れずにいうと、曲の全体的な印象は、思いのほか日本の邦楽ロックの王道のような印象が「雨のパレード」にはある。それこそミスチルのような。
LILILIMITが、「ポップであること」だけを大前提として、楽器の配置バランスや曲の展開を自在に変化させていくのに対し、「雨のパレード」は本当にバンド然としている。軸はあくまでもボーカルで、そこにギターベースドラムが重なっていく。極端な転調よりも、曲の流れやそこにあるストーリーを丁寧にトレースしていく。
大きく違うのがキーボード(シンセ?打ち込み?)の在りようで、LILILIMITは当初に比べて後期は音の軸の部分に電子音があり、その使いかたで曲のバランスが大きく変わっていく。それは一曲の中でも様々に変容する。雨のパレードはキーボードは装飾的に扱われている印象が強く、曲によってはその役割がタブゾンビのトランペットになるときもある。あくまでも、プラスで加わるものの印象が強い。メンバーにキーボード単独のひとがいるわけではないのもその一因かもしれないですね。
そして、改めて聞くと、僕の中で、かなり気取ったモテそうな印象のあった、福永氏ボーカルが、相当に線の太い、男っぽいボーカルであることがわかりました。確かにささやくような、平熱で歌っているときは、あぁ、モテるな、確実にモテるよな、っていう感じはあるんですが、ガッツリ歌い上げるような場面だと、実は太い。非常に声が太い。そうなるとソウルっぽいような曲とかちょっと古いルーツを感じさせるようなものも非常に似合う。
とはいえ、古臭いのかと言われれば決してそうではないんですが、予想以上に地に足がついた印象の強いアルバムでした。
そう考えると、きっとまだまだ現在は過渡期にあって、この先にどのような方向に進んでいくのか。
とてもわくわくする、素敵なバンドだと思います。