ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

あいみょん 「瞬間的シックスセンス」

このアルバムのリリース前後。僕がフォローしているTwitterのライターの皆様方が、「あいみょんは新しいか・古いか」ということを非常によく書いていて、とても興味深く読んでいたのですが、「ハイ!この先は○○で!!」みたいなことが多く、答えを与えてもらえませんでした…。

一つ言えるのは、僕が好きなライターの皆さんは基本的にあいみょんを「新しい」、もしくは「古くない」という認識の方が多かったです。

で、聞いてみましたこのアルバム。

ぶったまげました。いや、おったまげましたのほうが良いでしょうか(はいすみません)。

 

「フォークじゃんこれ…」

 

とにかく、シングルの現代性が際立ち、アルバムソングがおおむねフォークソングに聞こえる…!!!

 

前作は、かなり様々な彼女の音楽的バックボーンが見える作品で(いや、僕ごときが「これはネ、ディランのリフがネ、とかはまっっっったくわからないですがね)、洋邦問わず、見本市のような一枚だったと思います。でも、彼女の持つ歌詞、解釈力というか、表現の方法(良い言葉が見つからないですが、前にも書いたのですが、彼女の詞は、死や性を扱うものが多いですが、独特の品があると思うのです)によって、ある種、力技的に一枚のアルバムにまとめ上げた一枚でした。

 

しかし、今作はある種のフォークソング、しかも日本の90年代以前のフォークやロックに特化したようなアルバムに感じました。彼女がテレビでも浜省のファンであることを熱弁していましたが、まさにそのようなところを強く感じる。

 

あと、シングル曲が浮いているような書き方をしたのですが、じゃあアルバム曲がクオリティが低いのかと言われれば、決してそうではなく、とても良いメロディのオンパレードで、メロディに関しては前作をはっきり超えていると思います。

ただ、すごくアルバム曲らしいたたずまいをそれらの曲がしてるんですよね。それがなんとも個人的には懐かしくて、一体これはなぜに懐かしいのか、と考えたところ、一つ思いつきました!ちなみに僕は現在41歳なので、そのあたりの年齢の人にしかわからない感覚なのかもしれないのですが…、90年代の男性シンガーソングライターのアルバムのニオイがするんですよね…。例えば、山根康広とか、東野純直とか、もうちょいポップに寄ると、中西保志とか。絶対にロック文脈では語られないそのあたりの人が90年代に出したアルバムのアルバムソングに似てるんです。アルバムソングも凄く良いんだけど、これは決してシングルではない、何だろうダサい…のか???なんだこれ、何だろう????みたいな感じ。90年代は後半にスーパーカーやらくるりやら、それこそ復活のナンバーガールやら、あとドラゴンアッシュやら(あと、個人的にはアートスクールは相当今のシーンに影響を与えていると思うのですが如何でしょうか)、今の日本のロックシーンに多大な影響を及ぼす人たちがワンサカ出てきた時期なのですが、それらとは違って、もっと昭和のニオイが漂うラインナップが浮かぶのですよ。

 

ハイ、長くなりましたが、これが僕が最初にこのアルバムを聴いた感想です。

 

正直、自分が好きな憧れのライターさん達と真逆な感想に「いや、やっぱりスクワイアのギターをイマイチと言った僕ちゃんですよね…」と暗い気持ちになりましたが、これがですね、何度か聞くうちに印象がガラッとかわるのです、このアルバム。

いや、あまたのライターさんと同じ感想ではないと思うのですが、最終的には、この作品は現代的ですね。という気持ちになった僕です。

 

劇的に何が変わるというわけではないんです。印象がガラッと変わるとか書いておきながらなんですが。

最初に聞いたのはカーステレオ(っていのかい?今っぽい言い方何かあるのかい?)だったのが、今思えば失敗でしたね。ながら聞きするものではなかったです…。

イヤフォンや、スピーカーである程度しっかりと聞くと、とても丁寧に音を「選んでいる」のがわかります。フォーキーな楽曲でも、しっかりとリズムが締まっていて、「今」っぽいボトムにズム!って感じの、なんというか細マッチョな音が鳴っているし、洗練されている。マックスにフォークど真ん中!な第一印象だった「From四階の角部屋」(何度聞いても四階が四畳半の気がしてしまったせいで、昭和フォークを感じていたとすれば、「僕の勝手」なわけですが!!でも、これ意図的ですよね?違う?違うの???)も、途中で入るノイジーなギター(決してグランジシューゲイザーとは違うんですよ。これがね)やホーンが、しっかり「今」であることを上手に見せている。個人的にはホーンを入れる入れ方が上手だと、すこぶる昭和な編成のバンドでもグッと今っぽく音を洗練させられる印象があります。

トータルで見ると、やっぱり昭和のフォークや大御所ロック感はやっぱりあるんですが、そこに加えるスパイスがとても絶妙で、適切に一部あか抜けさせたことで、この独特なアルバムができたのだろうと思います。これは、おそらくあいみょんにしかできない、「今」のアルバムなのだと思います。

 

 

このアルバムに合わせて、アルバム曲「夢追いベンガル」のPVが公開されました。

この曲はイントロのギターに象徴的なように、アルバムの中では比較的現代性に拘らず、彼女の持っている邦楽趣味がそのままに出ている一曲なのではないでしょうか。

www.youtube.com

そして、この映像は、ツアーに密着して撮影したもので、ご本人が「若いうちの自分を閉じ込めた」とおっしゃっているように、ある種メモリアルなものであり、つまり「過去」をまとめたものであるわけです。

 

この作品を出し、アルバムをリリースしたこと、更に武道館で一人弾き語り公演行ったを考えると、明確に自分の現在位置や、音楽性を確認しているような印象もあり、もしかしたら、次の一手は大きく変わるのかもしれません。

 

とにもかくにも、時代のトップに一気に躍り出た彼女の次はどうなるのか、とても楽しみです!!