ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

GLAY 「元号」

現在、平成31年4月30日19時30分。あと4時間たらずで世(というか日本)は平成を終え、新たに「令和」という名で新しい歴史を刻んでゆきます。元号の是非は今論ずる点では無いので、特に書きませんが、とにかく30年強続いたこの「平成」が終わります。テレビ番組はさも年越しのような内容で、ちょっとびっくりしました(仕事中で見られませんが…)。

 

平成は戦争の無い時代だった、と言いますが、次の時代へ繋ぐものには多くの「負の遺産」が残りました。その平成を刻んだ歌が、平成の終わりに多くリリースされています(ゴールデンボンバーのように速攻で新曲「令和」を出したり、同様に発表直後、アルバムタイトル「REIWA」を発表した清竜人のような方々もいます。このスピード感は今の時代ならでは、ですね)。その決定打というか、真打のような一曲がこのGLAYの新曲だと思います。

 

僕は、こんな文章を書いておきながら、そこまで熱心なGLAYのファンではありません。ファンの皆さま、失礼があったらすみません…。

 

丁度、僕が高校生くらいの頃、ヴィジュアル系バンドと言えば、X JAPANLUNA SEAラルク黒夢あたりが人気で、僕もかなりハマって聞いていました。特にルナシー黒夢の退廃的でありながらも完成度が高く、何よりも美しいメロディがとても好きでした。そんな中、GLAYはデビューがYOSHIKI曲だったことや、その後のブレイクの流れ等からも、ちょっとメジャー感が強すぎる印象があって、そこまで熱心に聞いてはいなかったのですが、ポップであることを恐れない姿勢や、自分たちのルーツへの愛情や憧れを隠さない楽曲、何よりメンバーの人間味にだんだんと興味を持って、むしろ近年、TAKURO氏の曲の割合が減ったあたりからの方が、個人的には聞く機会が増えました。ずっと続いていくメンバーの絆はとても胸を熱くするものがあります。

 

今までも彼らは「時代」を描くことを恐れなかったし、今作の「フォーキー」な印象に通じる曲もあったと思うのですが、今作は本当にある種”振り切った”作品です。凄い。凄いッス。

 

まず、曲。完全にロックというフォームよりもフォークに近い、それも日本のフォーク。さらに言えば歌謡曲のようでもあります。失礼を承知で書かせて貰うと「ダサい」。でも、その歪さ、格好悪さは生々しいこの「時代」そのものであり、「人間」そのものであるように思います。だから、この曲はとても強く響いてくる。アレンジはGLAY&SEIJI KAMEDA。天下のヒットメーカー、亀田誠治が携わってのこのアレンジは、明らかに意図的にこのいびつさを残したのだろうと思います。

 

そして、詞。全てを持ってこの1曲だと思うので、どこかをピックアップすることはしませんが、曲以上に詞として非常に不格好です。これも曲同様「フォーク的」と言うこともできると思うのですが、これは完全に彼らからのメッセージです。「詞」というていをとることすら拒否したような部分、そのまま彼ら(作詞はTAKURO氏ですが、これは間違いなくメンバーから、というほうが合っている筈)からのメッセージであるような部分もあって、これはまさにGLAYの、今の時代への咆哮なのだろうと思います。泣いて悔しがり、絶望しながらも決して未来を諦めない、1点の光を信じることを止めない強い強い「意思」が鳴り響いているように思います。

PVも素晴らしいので是非。PVについては、熱心なファンではない僕が語るべきものではないと思います。ぜひ見てみてください。

 

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最初に書きましたが、僕は正直そこまでGLAYの熱心なリスナーではないのですが、そんな僕にとって、いわゆる「オッサン」になってからの彼らが、僕にはとてもとても魅力的に映ります。ウワベの格好よさよりも、削られて磨き上げられていった今の彼らは本当に格好良いと思います。

 

この曲は平成を描き、令和へバトンを渡す曲ですが、今まで書かせて貰ったように、これは、まるで昭和から平成への時代を描いたような曲と詞です。これは、昭和64年、平成元年に我々が描いた30年後という未来は、根本の部分では変わることなく、同じように悩み、様々に思いをめぐらせながら生きている、いくらスマホが普及しようが、その道の上に未だ僕らは立っているということなのではないでしょうか。それは、天災にせよ、人災にせよ、辛い日々の先に今があるということであるのと同時に、「まだその道にたてている」という希望でもあります。彼らは明確にその先にある希望を見つめているのでしょう。それを「絶望」とするも「希望」とするも、これからの我々の歩みにかかっているのだ、と。手の中にまだ未来はあって、零れ落ちてはいないのだ、と。

 

これからの時代を描くときに、改めて今を見つめる日記であり、未来を照らす指針のようなもの。そのテーマソングのような曲がこの「元号」だと思います。

 

そんなこんな書いている間に、平成はあと3時間程となりました。

皆さまにとって令和が良い時代でありますように。

 

 

元号

元号