ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

長谷川白紙 「エアにに」

一聴してとんでもない作品だということはすぐにわかる。わかりますが、さてはて、これはいかなるものでしょう???

 

音の密度がとんでもないのに、今まで聞いた様々な物と全く違う音楽であるがため、作用は人によって大きく違う。密度が濃いのに解釈に大きな余白があるというのが、この作品のものすごさではないでしょうか。

 

個人的には「洗濯」みたいなアルバムです。僕は日本のポップミュージックが大好きなので、基本、時間があればずーっと音楽を聞いています。当然好きな物には偏りがあるし、ある種気づかないうちに自分ルールで良し悪しを決めていることが多くあると思うんです。

 

AメロBメロが来たらサビが来ると思ってますし、それをもう1度繰り返してその後最高なCメロと大サビが来て「フッフー!!!!」みたいな興奮を味わう、みたいな。そんなステレオタイプなことではなくても、どこかで決めつけって絶対にあって。この作品は、それらを理屈では無く、本能でもなく、普通に「聞く」という体験で、リセット、というよりも整理してくれて、整頓してくれる。改めて、音楽を聞くスタンスを整えてくれるようなアルバムだと思います。

 

これって、そうそうあるものではなく、少なくとも僕はそのような感想をこのアルバムで初めて抱きました。これは、ノージャンルで何回な実験音楽(あ、これがジャンルか)みたいなものでは絶対にダメで、少なくとも同じ世界にあるものじゃないとダメだと思います。彼の音楽は圧倒的な創造性と実験性と密度がありながら、しっかりとどこか懐かしいというか、J-POPの文脈にあるようなところが、どこかにあるように感じます。だから、しっかりとそっと、聞く自分の中に血液のように入って来て、余計な概念を取っ払ってくれる。

 

何に近いというものも全くピンとはきませんが、敢えて言えばコーネリアスみたいな感じがしなくもない…ですが、あのコーネリアスの空気・水・自然の中に並列で電子音を置く、ようなものとは決定的に構造が違う気がします。それは精神の領域なのか、もっと理屈で表現できるものなのかは本当に全くわかりません。ただ、この音楽に会えて、「やっぱり新しく音楽を聞くというのはめっちゃワクワクする!!」という根っこの喜びみたいなことを感じられたのはとても幸せな体験だったと思います。

 

本当に全曲素晴らしいです。

 

www.youtube.com

 

 ※ すみません!amazonのアルバムが貼れませんでしたー!!

 

Half-Handed Cloud 「Gathered Out Of Thin Air」

たまたまTwitterで知りまして、とても気に入っております。

 

とっても暖かい音のちょっとヘンテコなポップ。ただ、全くどのような方のどのようなアルバムなのかがわからないのでネットで調べたのですが、結局よくわかりません。

 

わかったのは、john ringhoferという方を中心としたユニットで、この作品は2010年から19年にかけての、アルバム未収録のシングル等を集めてリマスターしたものであること(というわけで(なのかはアレですが)この作品、60曲も入っております)、現在はフィンランドに家族と引っ越したこと、「神と水を同一視する」というヘブライ語聖書・新約聖書の文章に感銘を受けていること、更に「水と血液の関係性」「月と潮の満ち引きの関係性」「ルイス・クラーク探検隊の遠征とアポロ計画との類似点」「メルヴィルの「白鯨」の聖書からの影響」等々から影響を受けている、とのこと。

 

主に二つのサイトから教えて頂きました。ていうか、それしか見つけられませんでした・・・。「てめぇ!!ネットをもっとサーフィンしろよこのカス!!」と罵られるかもしれませんが、見つけられなかったのだからしょうが無い。

 

というわけで、情報が少ない且つ知れば知るほど訳がわからない(そして興味深い)という状態でありますよ。

 

これ、英語がわかればもうちょっと違うと思うんですけどね・・・、いや、からっきしですわ。でも、とっても素敵な曲であることはわかります。なんせ曲がいいからね!!!!

 

このアルバムについての文章ではないのですが、どうやら宅録的な感じで基本一人でつくってらっしゃるようです。いかにも宅録らしいローファイな温もりと遊び心にあふれているとても素敵な曲ばかり。曲も短いものが多くって、60曲があっという間・・・は軽く言い過ぎですが、とても心地よく聞けます。しっかり向き合って、その暖かさと切なさ、温もりと同時に現れる寂しさや孤独感を味わうのもとても良いです。その点においてはeels(の綺麗なメロディの曲)に近い感じもしますが、彼らはもっともっと孤独が深いというか…この作品は、より暖かさが強いと思います。でも、何というか、暖かさに油断していると、ふと頬を涙が・・・「あれ!?アタシ、泣い・・・てるの!?」とそこにしゃがみ込んでしまうことになりかねないような感じがありますな。そんな人が実際にいるかは知りませんし、僕はなりませんがね。アタシって言わないし!イメージです、イメージ。

 

とにかく、Spotifyやapplemusicを使っていると、ときおりふとした出会いに感謝したくなることがあるのですが、これはまさにそうでした。世界中のポップスを愛する皆様方にオススメであります!

 

 

Gathered Out Of Thin Air

Gathered Out Of Thin Air

 

 

 

 

紅白出演者決定!

紅白出演歌手決定!!

 

ビビりました。僕はビビりましたよ。

 

毎年バンプが出る!とかバンプが出ない!!とか言って盛り上がる、嘘つきスポーツ紙情報で一喜一憂するのが僕の趣味なのですが、今年ってありましたっけ???

 

確か、竹内まりやさんがちょっと話題になったくらいしか知りませんわねワタクスは。

しかもしっかりと出場になってない。流石この辺は裏切りませんね。でも、近年は後日企画ものとして出てくることも多いのでまだまだわかりません。

 

とにかく、毎年出演歌手決定を僕は待ちわびるのですが、今年はそんな間もなく発表されました。僕だけですかね。興奮が低いっす。

 

すこぶる個人的なポイントとしては、ももクロが紅白に反旗を翻してから興味は落ちました。ただ、あのやり方はあまり僕はピンときませんでしたけども…。

あと、心からエビ中の紅白出場を願っていますが、実際厳しいですよね。でも毎年願います!!!努力のカタマリである彼女らに紅白を!!!!

 

 

で!!!今年のメンバーですがね!!!

www.nhk.or.jp

 

うん。

毎年言われることですが、例年にも増して「無難」…。

話題性に乏しい…。

 

まず、紅白以外にも、近年大人数音楽番組が増え、やたら長時間放送するため、当然出演者も増えます。それらに比べると、今や紅白は少ないくらいです。そうなると、どうしても秋元さん率いるAKB&坂道グループとジャニーズ、LDHの固定枠で、ある程度埋まってしまうわけです。とりわけ、出演者が(最早)少ない紅白はそれで大半が決まってしまう。だからこそ個性がでづらい…ん??んん????

 

あれ??そんなに多くない・・・のか??

 

ザックリ数えると、チーム秋元が4組。ジャニーズがキスマイ初出場を含め5組、でもLDHは初出場のジェネレーションズ1組のみ。つまり、これらで10組。総出演者41組から考えると24パーセント強。これを多いとみるかどうかですな…。

 

でも、とにかく31組はそれら以外なワケです。

その割に何ともピンと来ない…。何故かー???

勿論僕は全く紅白アンチではありません。毎年録画してみるくらいにはファンです。

 

とりあえず、ザックリと今年の出演者について今日は触れたいと思います!!

 

まず、今年の個性を最も表すのは「初出場」ということで、上記のキスマイ、ジェネレーションズ、日向坂は特に僕が触れるまでもないと思いますのでそれ以外で!!

 

Foorin

あれ?去年出てたよね??だってキンプリの天然のあの子(ごめんなさい、漢字出せなくて…)がめっちゃはしゃいでて超ほほえましかったの覚えてるもの!!!

という感じですが、去年は企画枠だったんでしょうね。実際あれが一つのブレイクのキッカケのようにも思います。今やありとあらゆる人が踊って楽しめるこの曲。来年が2020ということも含め出場は当然ですな。でも、上記の理由により「初」という感じはせず。

 

LiSA

僕の管轄エリア外の超有名アーティストさんなのですが、フェスとかの映像で何度も拝見はしております。最初、この手のボーカリストとしては、声量がそんなに無いのかなぁ、と思っていたのですが、全くそんなことは無く、というか、声量というより、自分の声の武器としての扱い方をものすごく熟知されている印象です。ガッツリ格好良いパフォーマンスを見せて頂きたい!!

 

Official髭男dism

当然の一言ですな。当然。出ない理由が無い。これで更に広い年代(主にアラフォーより上)にもガッツリ熟知され、更なるブレイク間違いなしでしょう。新作アルバムをそれらの方々は(CDで)手に取ると思うのですが、その期待をしっかり超えていくことのできるアルバムを出しているのがとても強いです。盤石のアブラがノリンノリンの演奏を期待!!

 

菅田将暉

紅白に出るっぽいような出ないっぽいような。彼のソロに加え、米津様が加わったりしないものでしょうか。どちらにせよ、舞台に居ると目が離せなくなる圧倒的な「ひきつけボーイ」な菅田くん。デビュー曲の「歌わされ感」というか半端なバンプ感はどこへやら、完全に菅田ワールドを自力で構築した才能は凄いです。

 

KingGnu

今年のメンツで最もファンの間で賛否が割れそうなのは彼らでしょうか。昔はロックバンドが紅白は「だせぇ」「終わった」「恥」みたいな風潮があったものですが、今はどうなのでしょうね。でも、彼らは元からテレビにはガンガン出ているし、NHKにも出てるのだから別に意外ではないし、ガッツリカマして頂きたい。サチモス的なスタンスではきっと彼らは無いと思うし(サチモスはサチモスでめっちゃ素晴らしかったですよ)、どちらかというと、紅白に真っ向勝負をしてくると思うのです。楽しみ!!

 

 

 

以上が初出場です。やっぱり意外性は無いですよね。

 

続いて、思ったことを何点か・・・

 

個人的には今年BISHが選ばれなかったのは意外でした。スピッツも。スピッツはバンドサイドが首を縦に振らなかったんでしょうね。オファーしないわけないもんね。

 

TWICEも、もちろん良いのですが、韓国勢ではもっともっと今年注目を集めたグループがあったんじゃないかと言う気も。これも先方が出ると言わなかったんですかね。若い層における、彼らの人気は相当なものだと思うので、世界的にも勢いのあるところをガツンと見せて頂きたかった。

 

念願のaikoさん出場!!!

とても良かった!と思う反面、うーん…、という気も…。

aikoさんには全く非は無く、むしろ彼女くらいのアーティストなら、今年が強い印象を与える1年じゃなくても出場は納得だと思うんですよ。じゃあ、何で去年は出なかったのか、選ばれなかったのか??という気がして。勿論、出たいと言って出るものではないのでしょうが、ちょっと何とも言えない感じが無くも無いです…。彼女のパフォーマンス自体はもちろん楽しみです。

 

オザケンがあとは出ないかなぁー!!!と思っていたのですが叶わず。

 

ふと思ったのはケンヒライが居ない。ケンヒライって毎年出てませんでした?気のせい??トップヒットを放つ人とは思えない、アバンギャルドな出で立ちをとても楽しんでいる僕としては残念です。

 

 

 

以上!

まぁ、書けば書くほど、やっぱ地味やねん…。という感じもしますが、そういう年に限って実際に見ると満足度が高かったりするのも事実だったり(これは過去に結構あります)。更に企画枠等で、アラヤダ!ビックリ!!!なことが多いのも近年の特徴。

 

なんやかんや、楽しみにして、年末を迎えましょう!!!

あぁ、気付けば年の瀬…。

オザケン in Mステを見たよ!MVも見た!!見たんだ!!!

いよいよアルバムリリースが迫ってきて、オザケン自身も歌詞についてツイートしたりしてらして、「来たな!ついにこの日が!!」感がマックスになる中、ちょこちょこっとティザー的なものが出ていた彗星のMVがいよいよ公開されました。

 

www.youtube.com

そして、昨日はMステに出演されましてん!!ワタクシリアルタイムでは無理だったので、録画で今朝見ました!!凄いね!!いきなり階段でツイートしてたね!!

で、それがツアー発表!!!…札幌来ないのね…残念。

あの階段ツイートも、きっと時間軸的な「ここ」と「そこ」は本当につながってるんだ、ということと、片っ端から総否定社会のようになっている日本で、常識から一歩ずれてみる、というか、コリをほぐすみたいなことなのかな、と思ってみていました。

 

再始動後、とにかくテレビに出る小沢氏はポジティブな切り口で語っているように思います。前にワタクシも記事でこの「彗星」については書かせて頂いたんですが、様々な厳しい現状を認識しつつも、とても肯定的にとらえる様がとても素晴らしく感じました。

 

で、昨日のMステ。タモさんが仰るように、「今という奇跡」を描いた楽曲であることは間違いないと思うのです。が、それに対するオザケンの反応は、タモさんへの最大級のリスペクトを含めつつ、だからこそ、ここで更に先のキーワードを言いたい!言いたくて仕方がない!!!という「前のめり感」がありました、よね!?

 

昨日の発言で僕がとても印象に残ったのは、一つが「絶対に確かな事を歌いたい」と言い、空間、というか足元を指さし「これ、今、宇宙というのは確かだ」ということ、もう一つが、きっと皆さん気になったであろう、「彗星」は「水とかでできてて、凄い、ギリギリ危ない」という表現でした。

 

確かな事を歌いたいと言い、いまここ「宇宙」というのは、フィッシュマンズの「宇宙日本世田谷」をちょっと思い出したりもするけど、Mステでその認識を伝えるのは凄くレアだし、解釈としてそこを提示するのはとても大きなことのように思いました。

 

で、彗星の方ですが、漠然とした彗星の「美しい」というイメージの別の側面を見せるもので、様々な物には様々な捉え方があって、その両方を知ることが大事なんだ、ということなのかな、と思いつつも、正直はっきりは僕にはわからず。でもそこの違和感こそに重要な何かがあるような気がしました。

 

そして、MV。これもまさにそのような作品で、日常にある様々なものを色々な角度から色々な立場から切り取っている。提供されたギョーザを挟んで、ババ抜きに興じるオザケンと息子さん。そこにも日常とは違う違和感がある。でもこれって、単純に日本の常識なんですよね、きっと。彼のツイートの多くは、日本と欧米の価値観についてで、否定ではなく、とても面白がる形でなされてます。それに近い感じ。

 

結局、絶望の裏にはきちんと希望があるし、その希望の裏にだって絶望はある。そんな中で、無根拠な「大丈夫」ではなく、いま、ここ、宇宙、を認識して、しっかりと今そこにある「肯定」を提示する大切さ(随分と前に中村一義が「絶望の望を信じる」と歌ったりしましたが)を、この曲、このMV、昨日のMステから、とても強く感じました。

 

無根拠ではない、きっちり今目の前にある宇宙という肯定感。でもそこにはきちんと「ギリギリの危なさ」もある。それを知ったうえで、グラスを掲げて行こう!という。とてつもなく強く、とてつもなく身近な、本当に出会えてよかった!まさに名曲!!!と今朝録画を見ながら思っておりました。

 

演奏、歌については、今更ワタクシなぞが付け加える必要もないかと思いますが、一段と命のこもった歌声になった気がしました。朝からとても素敵な「体験」でした!!

 

 

 

彗星

彗星

 

 

 

 

 

香取慎吾 「Trap」

好きですこの曲。何回も繰り返して聞いちゃう。

 

ちょっと前に配信開始していた「10%」も聞きましたが、これは、まさに始まりの1曲!という感じで、従来の「慎吾ちゃん」的イメージに忠実な印象でしたが、今作は、同じようなノリの良さもありつつ、加えてかなり色気のある感じのトラック。サウンドは今の流行に目配せしつつも、そこに寄りすぎず。言ってしまえばSMAPの延長線上にある感じがしました。サウンド的にとても面白いことをやっていながら、限りなくポップで且つあの5人にしか作れない空気があったあの感じの先というか、いや、先ではないか。その流れの中にあるような曲だと思います。

 

ただ、あたりまえのことですが、その5人のマジックはそこには無いわけで。

 

誤解を恐れずに言うと、SMAPの素晴らしさは全員が歌が上手ではないことにあったと僕は前から思っていて。いや、もちろんこれは様々な意見があると思うのですが、僕の中ではSMAPって、全員が完全に同価値なんです。木村さんも中居さんもおんなじだけの歌の存在感がある。まさにナンバーワンではなくオンリーワンの歌声なのが彼らだったと思います。ボイトレ至上主義的になると、場合によってともすれば同じような上手な歌声になってしまうこともある中、彼らの声はとてもとても誰にも変われない魅力があった。そしてそれを見事に表現する多様な楽曲があった。

 

でも、グループではなく現在はソロ。どう考えたって、そのマジックは起こらない。では、今作はどうなのか、というと、

 

「あ、ソロ凄く良い!!」んです。とっても。

 

アイドルのアルバムには大抵ソロが入っていて、僕もそれこそSMAPや嵐、スタダの女性アイドル等、それなりに聞いたことはあって、どれも魅力的ではあるんですが、どうもやっぱり「みんなの声が聞きたいなぁ」と思ってしまう。グループだととても上手で素敵な…例えば、嵐だと大野くんや、スタダだとエビ中の柏木さん等のソロ曲も、凄く良いんだけど、やっぱりどうしてもグループの曲が聞きたくなるんです。

 

でも、今作の香取さんはそんな感じが全くない。ソロである魅力がバッチバチに出ている。グループと並行した活動じゃなくなるとそうなるんですかね。不思議。

 

今回も決して上手じゃないと思うんですよ、歌については。でも、今の年齢だからこそ出せる歌声や余裕。それは間違いなくトップアイドルとして百戦錬磨のSMAPに居た彼だからこそ出せるもので、上手いとかヘタとかそういう問題じゃ全くない。たた単純にこの声が最高だと思う。

 

でもって、この曲はアルバム「20200101(ニワニワワイワイ)」の先行配信曲です。

 

消費税10%に合わせ10%を出し、2020年の元旦にこのアルバムを出す。明らかに意味のあるタイミングで、その意味に乗っからない曲を自分のペースで打ち出す彼にはとても頼もしいし、この先を見たい気持ちになります。

 

アルバムにはKREVASALUらのヒップホップ勢に加え、WONKやyahyelといった非常に楽しみなバンド勢も加わっていて、参加アーティストを見るだけでかなりワクワクします。この感じもSMAPっぽいですが、彼はきっと別の魅力をこの作品で届けてくれると思います。

新年早々ワイワイ楽しめるかと思うと、新年を迎える楽しみが一つ増えた気がします!!!

 

 

Trap

Trap

 

 

 

集団行動 「キューティクル」

最高傑作かどうかは僕が決めるようなことでは全く無いですが、間違いなく今までで一番好きです。僕が。マイ最高作。

3ヶ月連続リリースの第2弾です。第1弾が今までのバンドサウンドから一転、打ち込みの楽曲だったのはビックリしましたが、今作はタイトル「キューティクル」。これは間違いなくとらえどころのない歌詞で、集団行動王道のバンドサウンドに違いない!!!

 

ハイ!違った!!!

 

そもそも、「集団行動の王道」というのがバンドサウンドじゃないんでしょうな。王道という表現が彼らを全く表していない感じがハンパない。

 

前作「ガールトーク」に続き、今作も打ち込み。こうなると第3弾はどうなるのか。そのまま打ち込みか?バンドか?オーケストラか??ゴスペルか???

 

でも、彼らはひねくれたことをやろうとしているバンドじゃないと思います。結果として予想を裏切ることはあっても、彼ら自身はバンドとしての表現欲求に素直なバンドであり、真部さんはとても賢い戦略家ではあるのでしょうが、それ以上に自分の感じる本能を最優先する方なのだろうと思うのですよ。

 

そして、この「キューティクル」。最初に書きましたが、本当に素晴らしい1曲です。もの凄く良い。

メロディ、トラックが良いのは勿論ですが、本当に毎回毎回書いている気がしますが、ヴォーカル齋藤さんの声が一段とすんばらしい!!!この方は底なしなのでしょうか…。前作でもググンと良くなった感じがしたのですが、本当にすごい。伸びしろしかない。

先日ちょっとしたきっかけで、普段聞く機会はあまりないのですが、声優さんの悠木碧さんという方の「ボイスサンプル」というアルバムを聞きました。これがとっても面白くて、声優さんが歌を歌う意味あいそのもの、というか、声優さんにしか作りえないアルバムでした。曲ごとにものの見事に歌声を使い分け、まさに十人十色。曲ごとの主人公をたった一人で演じ分けている。何故このようなことを書いたかと言うと、集団行動の「キューティクル」を聞いて、ふとこのアルバムを思い出したんです。悠木さんは別の主人公を演じ分けていたのですが、集団行動の齋藤さんは、一人の人間の持つ様々な表情・感情を、非常に上手に曲ごとにさらけ出して(暴き出して?)いる印象があるんです。どんな人だって、良い面もあれば悪い面もある。表に積極的に出す面もあれば、可能な限り隠そうとする面もある。自分では気づいていない顔だっていっぱいある。その様々な人の側面を、とてもフラットでナチュラルに作品に乗せることができる。悠木さんが十人十色であるなら、齋藤さんの歌は、一人十色とでも言うのでしょうか。そして、フラットだからこそ、ある種の残酷さも持ち合わせているように思います。それがこの曲には出ていると思うんです。

 

僕はどうしても曲を聞きながらだと一部しか歌詞が入ってこないので、改めてきちんと読んだのですが、この曲について、具体的に「こう」というのは僕にはわかりませんでした。でもとにかく、凄い歌詞です。

 

まず

 

聞いてくれキューティクル

消えてくれキューティクル

 

という歌詞が、歌詞を覚えられない僕でも一回で頭をグルグル回ってくる。

 

そしてどういうこと??という気持ちになる。

そもそも、キューティクルというのはわかっているようでよくわからない言葉で(これは相対性理論時代からこういうところをつくのはすこぶる上手だと思います)。髪をツヤッツヤにしてるのがきっとキューティクルなのだろうけど、結局なんだと言われれば全くわからない。語感も含め、どこか謎めいた感じもある。

 

この曲は、とにかくその「キューティクル」に消えてくれ、とひたすら言いまくる。

キレイなもの、キラキラしたものを拒絶し、髪が傷もうが、ビューティフルを置いていこうが、とにかくキューティクルを削り、そぎ落とし、消えてくれ、と願う。

結果、最後には

 

聞いてくれた 消えてくれた

優しいキューティクル

 

と終わっていく。

なんだろうか、どうしてこんなにもキラキラを拒絶するのか。優しいキューティクルは優しさゆえ去って行ったのか。

 

何ともいえない感じがある。ちょっと読後感の悪い感じ。

 

先ほど触れた歌いかたについても、ポップで軽快なような歌声なんだけど、どこか愁いがある。

僕にはこれが何を示しているのかは正直わからないですが、凄く勝手ながら「わかる」気がするんです、この歌詞。自分の中にあるものの気がする。きっと齋藤さんの歌声に感じた印象は、そこにあるんだと思います。自分の中の何かがとてもリンクしたり、共鳴したりしているような。

 

今更相対性理論を持ち出す必要もないのだろうとは思いますが、その点が大きく相対性理論と集団行動が違う点です。

僕の中で相対性理論は、どこまでも「聞く」音楽でした。勿論どちらが良いというものではないです。

 とにかく、何度も何度も何度も聞いて、結果どんどんその沼にはまっていくような曲でした。僕にとっては「クレーター」もそういう曲でしたが、その沼はどんどんと深くなっているように思います。

 

この後の第3弾、そしてきっとその先にあるアルバムは、一体どんな扉を開けてくれるのでしょうか。楽しみです。怖さすらあるほどですが…。

 

 

キューティクル

キューティクル

 

 

椎名林檎 「公然の秘密」

イヤハヤ、何でもできちゃいますな。いやぁできちゃうんですな!!!

という1曲。

 

椎名さんのアルバムは、恐らく1stから全てリアルタイムで聞いてきていると思うんですが、彼女が強く持つ「美学」のようなもの(シンメトリーな曲名など)を貫きつつも、ポップに寄ることもあれば、そうではなく、アート的だったり、一般的にイメージするバンドサウンドから大きく逸れることもあったと思います。

 

東京事変での活動と並行していた頃は、ソロ名義の活動はよりいっそう趣味性が強かった印象がありますが、その時期を過ぎた今は、最早何でもアリな無敵状態のように感じます。

 

そもそも、この曲はドラマ「時効警察」の主題歌として書き下ろされたものであり、当然ドラマとの相乗効果がうんぬんかんぬん…あると思うのですが、どうも昔から時効警察は「サブカル感が強い」感じがしちゃって見たこと無いんスよ…。それも、サブカルがめっちゃサブカルらしかった時代のサブカルね。いや、僕めっちゃそのサブカルの中を生きていたと思うんですが、そういうのって、乗り逃すと、「じゃあもう絶対乗ってあげない!!プンスカ!!!」ってなりません??その何とも言えないしょっぱさ(自分が)がサブカル臭プンプンですな。自分がね。いや、とにかく見たこと無いんですよ。ごめんなさい。

 

でも、この曲を聞くと、とりあえずキュートな三日月さん(麻生さん)が浮かぶ。きっとそういうドラマなはず。間違いない。

 

乗り良し!演奏恰好良し!歌詞ドッキドキ!!!な、名曲要素てんこ盛りソングです。

 

歌詞を見ると「匂い」「フレーバー」「バニラ」「シナモン」と香りに香る香り天国へようこそ!!な色気漂う最強の椎名節。そこに「みえみえ」「ばればれ」「めろめろ」というフレーズが合わさってくるのが実にキュート!!!PVの振り付けも含めて、そのお茶目さというか、ちょっと幼いような印象すら与える平仮名で表現されたこの歌詞がものすごく耳を引く!!それがある種「隙」というか、最高のアクセントになり、いっそうこの曲の魅力・色気をその「隙」こそが際立てているようなところが本当にお見事です。

 

そしてこれ、別にシングルじゃないんですよね。ベストアルバムの先行配信曲ということで、イントロのドラム一発で夢中になって、ゴージャスな音世界の虜になりつつ、すぐに椎名林檎曲であることがわかるお見事な編曲、メロディ。一気に最後まで聞ききってしまう3分ちょっとの軽快さも含めて、シングルで切ってよ!世に解き放ってよ!!という気持ちに僕はなるんですけど、シングルじゃない。ドラマとか、キッカケさえあれば(というかきっと書こうとすれば)いくらでもポップな名曲が書けてしまうのでしょうか、この椎名さんは…。

 

そいでもってPVも最高ッスよ。

www.youtube.com

 

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 (アマゾン限定みたいなやつは貼れませんでしたのー!!)