フジファブリック 「Water Lily Flower」
フジファブリックといえば、なんといっても「若者のすべて」でしょう。
ミスチル櫻井さんや柴咲コウさんら、多くのアーティストにカヴァーされ、知る人ぞ知る名曲として、知る人レベルじゃなく知られている名曲。
僕にとっても若者のすべては、本当に大きな曲で、すべてのアーティストの楽曲の中から大好きな曲を1曲あげろ、と言われたらこの曲をあげます。この曲とバンプのダイヤモンドが僕史上重要2曲です。
そんな、バンドの金字塔ともいえる1曲ですが(リリース当時はそこまでどメジャーな曲だった印象はないのですが…)、その曲を作ったヴォーカル/ギターの志村さんは2009年のクリスマスイブに亡くなりました。
志村さんは、本当に歌がヘタで、僕もテレビで見て本当にびっくりしたことがあります。本当にまるで音程がとれてないときもあるし、衝撃的なくらいにサビでガッツリはずしているときもありました。でも、でも本当に最高なヴォーカリストなんです。彼ほど、心に染みる歌を歌える人は、僕は知らないです。ヘタウマですらない、ヘタ、だと思う、けど。だからこそ、だれも彼の代わりになれない。
志村さん亡き後、残された3人は、新たなメンバーを加えるのではなく、ギターの山内さんを新ヴォーカリストに据え、歩き続けることを選びました。当初は、どこか志村さんの影を追っているような歌声に、よけいに切なくなるというか、そうとらえて貰いたくないのだろうな、と思いつつも、どうしても志村さんなら、というのを失礼ながら考えてしまっていました。
でも、とにかく彼らは新しい曲をつくり、それをフジファブリックとして出し続けました。そして、2015年にミニアルバムを二枚だしたころから、音楽性がどんどん広がり、メロディも凄く豊かになっていったように思います。
そして、ついにたどり着いた新たな金字塔と呼べる1曲が、この「Water Lily Flower」です(勝手に言い切る)。本当に名曲だと思います。メロディのすべてが、演奏のすべてが鮮やかで、みずみずしくて、今のフジファブリックにしかならせない音楽。
この曲は、フジファブリックが劇伴を担当した映画、「ここは退屈迎えに来て」にも出演している成田陵さんがPVに出演しています。
これがまた、とっても良いのです。成田さんのなんともスカした感じが、スカして斜に構えているようだけど、目はまっすぐで、ピュアな感じがなんともフジファブリックに重なって、まるで4人目のメンバーのようでした。
志村さんは生前ブログか何かで、バンプのような小さいころからの仲良し友達バンドへのあこがれを口にしていました。フジファブリックはメンバーチェンジを繰り返し、今のメンバーになったバンドです。でも、だれよりもメンバーがフジファブリックを愛し、志村さんを愛し、試行錯誤して進化を続けてきた彼らは、どんなバンドよりも絆の深い、友達バンドを超えたバンドであるように思います。それを天国からどんな気持ちで志村さんは見てるのかな、と、どういうわけかしょっちゅう僕は考えるのです(本当にしょっちゅう考えるのです)。
ちなみに、山内さんの歌う「若者のすべて」もとても良いです!youtube等にあると思うのでぜひみてみてください(おそらくオフィシャルではないので、貼らないでおきますー)。
余談ですが…先日キーボードのダイちゃんが、スーパーフライこと越智志帆さんと結婚されましたが、志村さんがいたらどんな反応をしたのかは、とっても気になるところです。