ヅレブロ  日々の徒然~音楽、映画、ドラマ、キャンプ~

アラフォー男子inHokkaido。徐々に記憶力が落ちてきたワタクシの備忘録的ブログ。もし、だれかのやくにたてばとてーもしあわせです。これから書きたいことを考えてタイトルを変えてみました!!

ふくろうず 「カシオペア」

売れる、売れない がバンドにとって全てではない。

そんなのは当然だし、わかりきっているけど、

「もうちょっと売れていたら続けられたのかな?」というバンドは結構ある。

ある程度の年齢になって、続けたいけれども就職を選んで脱退したメンバーのいるバンドとか(また、高学歴だったりすると、それは非常に悩ましい)。

さて、今日はふくろうずの「カシオペア」です。

さて、ふくろうずはどうでしょう?

決して「売れていないバンド」では無かったと思うのですが、様々な評判や、SNSでの評価などを見ると「どうしてもっと売れないんだろう…」的なことを書いている人も多かったし、実際僕も「何かきっかけがあれば一気に売れるんだろうになぁ…」と思っていました。女性版スピッツとか、ウカツにはつけられないような形容をされたりしていたことからも、本当にきっかけひとつで、もっと多くの人に知られるバンドになりえたと思います。曲は問答無用に素晴らしいし、ボーカルの内田さんは美人だし、ほかのメンバーのキャラも立っていて、それこそヘイヘイヘイやうたばんみたいのがあれば、一気にお茶の間の人気者になってたのではないでしょうか。「時代に選ばれる」というヤツですかね?

 

メンバーの皆さんはどう考えていたんでしょう。メジャーデビューもしているし、「売上???おまえ今なんつった??う・り・あ・げ???なにそれ?食べれんの??俺らの音楽の何をお前聞いてここに来たの???え?コ〇スよ??」みたいな感じではないと思うんですが…。

 

ただ、とても職人のような頑固さがあるバンドであったように思います。ドラムが抜けた時にサポートをいれてレコーディングするのではなく、打ち込みを使う選択をしたり、解散の発表を解散ライブの後にしたのも、象徴的な気がします。

 

とにかく名曲のオンパレードのようなバンドでした。ダテにスピッツの名が出てきているわけではありません。代表曲は「ごめんね」だと思うのですが、今日は僕の大好きな「カシオペア」を。

これ、本当にドキドキするようなロマンチックな曲だと思うんですが、詞がまた本当に良くて、

 

ずっと前から好きだった だって運命で決まっていた

調子がいいね、って君は呆れてる そんなあたしを嫌わないで

 

という歌詞で始まり

 

ほんとの愛じゃなくていい さよならだって愛しい

2人だけテレパシー 1人だってシンパシー

そうさ、君の涙セクシーさ! その輝きはダイヤモンド

 

という歌詞で終わる。

凄い。マジで凄い。これはそうそうかけないと思うのですがどうでしょう。

ものすごくロマンチックで、でもあまりにもそうだから嘘っぽくすらある。

 

凄く少女マンガのような歌詞。内田さんはいつもウンコばっかり書いているような方ですが、書く詞はとても女性的、というか少女マンガの世界のようです(確か、少女マンガが大好きだったはず…。あととても本を読む方だったはず…)。

逃げることなく「女性の描く世界」を提示し、自分とは何なのか、このぬぐい切れない業のようなものは何なのか、ととても誠実に、とても「自分のこと」として向き合った、その結果が、多くの楽曲として、形になっているように思います。

 

凄く強い感情の「痛み」を描いている曲もあるのですが、どこかそれも実写というよりはペンで描かれているようで、でもそれ自体が照れ隠しのようでもあり、結果としてそれが逆にそこにある「痛み」や「闇」がドロッとした血の塊のように、生々しいものに感じるような。遠回りしてるようで、最短距離でその「血」を描いているような。

 

ごく一部のひとにしか描けない、きわめて文学的な、こじらせ、というか厄介さ、というか、向き合うには非常に労力を要するものに真っ向から向き合った楽曲たち。

 

とにかく、内田さんのような角度から物事を描けるひとはそうそういない。

 

この曲で描かれる世界は内田さんからしか、さらに言えば「ふくろうず」からしか生まれないと思います。女性1人男性2人(3人)編成でありながら、微塵も男性的(という表現が適切なのかは難しいのですが…)な匂いを感じさせないこの独特な「ふくろうず」というバンドからしか表現できないものが確実にありました。

 

特にシングル曲ではないですが、この「カシオペア」はふくろうずというバンドの名刺のような一曲だと個人的には思っていて、CMサイズでも「おっ!」と思わせることができるし、テレビサイズでも目を(耳を)ひく、フルで聞くとさらにふくろうずを聞きたくする魅力のある、入り口になりえる曲だと思います。

 

www.youtube.com

これは短いのですが、曲の魅力は伝わるかと…!!

 

そして、この曲は「テレフォンNo.1」というアルバムに入っていますのでぜひー!

 

 

テレフォン No.1

テレフォン No.1