集団行動 「ガールトーク」
変化作?なのか、勝負作?なのか。
わかんないけど、明らかに次の段階に入った感のある、集団行動の新曲「ガールトーク」。まず、曲名がバツグンに良いですな。良いです。いや、好きです。
まず、誰が聞いてもわかるように、今までの「ギターキッズなの??実はギターキッズなの真部さん!?!?」っていうくらいにバリバリひきまくっていたギターサウンドじゃない。ていうか、バンドサウンドですらない。ぐっと音数を削った打ち込み。今のモダンなサウンドのモードに近いというより、今の相対性理論に近い。だから、結果として(なのか??)相対性理論への回答のような曲になっていると思う。
そして、相対性理論とは全く違う。
今の相対性理論も好きだけど、やっぱり昔に比べると、理屈っぽくなったように思う。ライブハウスより美術館的な感じがするし、ライブというよりインスタレーションのような感じもする。「凄い!」んだけど、それ以上に「好き!」と思わせてほしい。
でも生で見たことは無いので、それを言う資格は無いよチミ、と言われたら謝るしか無い。すまない。ごめん。すまない。
昔の相対性理論は、企業名や、広告に乗ったワードみたいなものを使いながら、そこから半キャラずらしのように絶妙に軸をずらすことで、ある種パラレルワールドのようなものを僕らに見せてくれて、僕も、それに夢中になっていた。
集団行動は、そのようなキラーワードは使わないけど、世界観は全く(当時の相対性理論に)負けていないし、違う切り口でありつつ、切れ味は大きく増していると思う。そして、その世界観を構築しているのは、間違いなく「齋藤里菜」さんの力だ。凄くチャーミングでありつつ、フラット。日常の中にある存在で齋藤さんは有り続けながら、しっかりと真部ワールドに片足を突っ込んで、オブラートの無い、ワクチンの存在しないワードを投げ込んでくる。あくまでも日常の中で。
カジュアルでありながら、その言葉は突如としてグロテスクというか、いきなりど真ん中を射抜くような、もの凄い生々しさを持つ。
ぐっとトラックがシンプルになったのは、余計な装飾が今の集団行動にはいらないということだし、それは齋藤さんへの信頼だと思う。
本当に、新しい曲を出す都度、ヴォーカルの魅力が何倍にもなっている。当初借り物のように思えたし、だからこそ楽曲の力に大きく助けられているように感じたヴォーカルが、今や楽曲を大きく引っ張っている。赤い公園の佐藤さんにも、当時同じく思ったけど、ヴォーカリストの増していく表現力を目の当たりにするのはとてもスリリングで興奮する。音楽が好きで良かった!と思う。
とにかく、この曲の齋藤さんの歌声は、とてもフラットで、優しい。聞くリスナーと完全に地続きの歌声だ。でも容赦なく「ガールトークはイニシャルトーク」という言葉がどんどんどんどん脳内を巡っていく。そしてリピートしてしまう。アウトロがコーラスのこの歌詞のみというのも凄い。
この曲を皮切りに3ヶ月連続リリースとのアナウンス。最初にこの「明らかに新しい集団行動」である「ガールトーク」を持ってきて、一体次には何が来るんだろう。
本当に天才だ。真部さん。ずっとずっとワクワクさせて欲しい。